Journey with Rola in Kenya, Africa
象を絶滅の危機から救う。「Save the Elephants」最前線のストーリー
アフリカ象が直面している問題を皆さんはご存じですか? 象牙を目的とした密猟や密輸がアフリカ全土で多発。年間推定3万頭を超える象が犠牲となり、過去10年間に11万頭も減少。いま象は絶滅の危機に瀕しているのです。こうした現状と闘い、野生の象の保護活動に取り組んでいる団体「Save the Elephants」をティファニー(Tiffany & Co.)は「Tiffany Save the Wild」コレクションを通じてサポートしています。そして今回、実際に野生の象の現状やティファニーの取り組みを知るために、ローラさんがケニアのサンブル国立保護地区を訪問。ダイアリー形式でその模様をお届けします!
Itinerary Day 4 in the morning
野生の象の保護活動を学びにSave the Elephants本社へ
いよいよ今回のトリップの最大の目的、ティファニーがサポートする「Save the Elephants」の活動を理解し、象たちが直面している問題を学ぶため、「Save the Elephants」本社へ伺いました。
動物学者イアン・ダグラス=ハミルトン1993年に創設。現在はフランク・ポープとイアンの娘のサバ・ダグラス=ハミルトンを中心として、ケニアのサンブル国立保護地区で暮らす野生の象たちを保護・調査している団体。象の行動や生態学に関する重要な研究を行い、保護区域管理者や地域社会と協力して、象牙の密猟者や人身売買業者から象と象牙を守るための取り組みを支援し続けている。
本社は、藁葺き屋根でまるで映画のセットのような外観。英語と中国語の看板が印象的でした。
まずは野生のアフリカ象の現状をお伝えしなければいけません……。アフリカ象が持つ象牙は“ホワイトゴールド”と呼ばれるほど大変希少価値のあるもので、アフリカ大陸全土でその象牙を目的とした密猟や密輸が多発。そのため、年間推定3万頭を超える象が犠牲となり、過去10年間にアフリカ象は11万頭も減少。特にタンザニアでは、過去5年間で60%もの尊い命が奪われてしまったという……。いま、象は絶滅の危機に瀕しているのです。
エントランスには、殺されてしまったり、死んでしまった象の歯型がずらり……。
象一頭一頭に名前がついています。歯の列の数によって、だいたいの年齢がわかるそう。右側の骨の先端がキュッとなっているのがメスの特徴。
真ん中の赤いワンピースの女性がサバさん。
「Save the Elephants」では、過去25年間、象の行動や生態学に関する重要な研究を行い、保護区域管理者や地域社会と協力して、象牙の密猟者や人身売買業者から象と象牙を守るための取り組みを支援。驚くべきは、大自然のサンブルで、象が安全に暮らせるよう、監視と保護のために、最先端の追跡システムが開発され採用されていること! ローラさんもアフリカの象の危機的状況を知り、私たちが今できることは何なのだろうと、真剣な眼差しで考えを巡らせていました。
なんと! コンピューターでサンブルにいる象たちの動き一頭一頭をチェックしているんです。名前も付いていて、この1週間にどのように移動したのかなども一目瞭然。ちなみに象のマーク、左を向いているのがオス。右を向いているのがメスです。なんだか可愛い!
なぜ象の動きが監視できるのか? それは、このGPSシステムが内蔵されたベルトをサンブルの象、一頭一頭の首に取り付けているから。どっしりとしていて、かなりの重さのベルト。愛らしいキャラクターで温和な印象の象ですが、仲間意識が非常に強く、時には人間を攻撃することも。なので、このGPSを象に取り付けるという行動も簡単なことではありません。「Save the Elephants」の皆さんは、命懸けの戦いを日々してくださっているのです。
人間を敵とみなし、象によって破壊されてしまった車両。
こちらはアフリカのMAP。赤い部分は過去、象が移動した部分とのこと。象の移動を把握することで、そこに道路などが建設されないように促したり、また、逆に象が農作物を襲うのを防ぐ…など、象と人間の共存を可能にすべく「Save The Elephants」は活動を行っているのです。
「Save the Elephants」本社では、象を保護する最前線のストーリーをはじめ、象に関しての知られざるストーリーも教えてもらいました。特にその中で、ローラさんがとても深く感銘を受けられていた印象的なエピソードを二つ。
象はとても仲間意識が高い動物だということは知られていますが、例えば仲間の象が死ぬと周りに集まって、その死骸に緑の葉っぱを載せ、何時間もその周りをぐるぐると周り、死を悼むような仕草を見せたといいます。また、母親を殺された子象は、その悲しみから昔、母親に連れて行ってもらった山へ記憶をたどり一人で登りに行ったといいます。象は人間と同じように感情があり、尊い生き物なんだということを教えてもらいました。象をはじめ、人間は自然の生態系を壊してはならない。私たち一人一人に何ができるのかを考えねばならない時期が来ていると強く感じました。
Itinerary Day 4 in the afternoon
聖なる山、オロロクウェへ
象たちの現状を学んだ後、午後は楽しみにしていた、オロロクウェ山にて撮影。ケニア中部大地溝帯にそびえ立ち、サンブル族が「聖なる山」と拝む、オロロクウェ。私たちはヘリコプターで山頂へ!
全員で5人しか乗れないヘリで山頂へ!
右が今回のファッションスチールフォトグラファーの瀬尾くん。
絶景のオロロクェ。最高のロケーションで、美しいローラさんを瀬尾くんが撮ってくれました。女神のようなローラさん。ぜひ5月28日発売「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」7・8月合併号の誌面で見ていただけるとうれしいです。(鈴木くんが撮ってくれたムービーもとても印象的なシーンに仕上がっています!)
Tiffany Save the Wild
「命をつなぐ物語」
スペシャルムービー公開中
Photos & Text:Aika Kiyohara