鈴木仁インタビュー「負けず嫌いだけど、顔には出さない」 | Numero TOKYO
Interview / Post

鈴木仁インタビュー「負けず嫌いだけど、顔には出さない」

旬な俳優、女優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。vol.59は俳優/モデルの鈴木仁にインタビュー。

『花のち晴れ〜花男Next Season〜』では「C5」の成宮一茶、『3年A組-今からみなさんは、人質です-』でサッカー部の里見海斗を演じるなど、話題作への出演が続く俳優・鈴木仁。モデルとしても『MEN’S NON-NO』などで着実にキャリアを積み上げる彼が、4月5日(金)公開の映画『4月の君、スピカ。』に出演。20歳を目前にした彼の俳優/モデルへの想い、そしてプライベートにもアプローチ。

星空に魅力される、ミステリアスな美少年を好演

——先日、最終回を迎えたドラマ『3年A組—今から皆さんは人質です-』は大きな話題を呼びました。撮影はいかがでしたか?

「監禁されているという特殊な状況でしたけど、緊張感があって楽しかったです」

——ドラマでも共演した福原遥さんとは4月5日公開の映画『4月の君、スピカ。』でも共演していますね。

「撮影自体は映画が先だったので、ドラマで、また一緒だったという」

——この作品では、長野の美しい自然が印象的でした。

「昨年の10月頃だったので紅葉の終わりかけでしたが、とても綺麗でした。やっぱり空気が澄んでいるし、風景がひらけていて清々しくて。夜は星がすごくきれいで、露天風呂に入ってよく夜空を眺めていました」


——撮影環境が最高ですね! 鈴木さんが演じる天文好きの大高深月(みづき)は、佐藤大樹さん(EXILE/FANTASTICS)演じる宇田川泰陽(たいよう)とは、真逆のキャラクターですよね。

「深月と泰陽は親友なんですが、性格は名前通り、月と太陽のように反対です。深月はあえて感情を抑えて演じるというより、原作を読んで、彼の性格を掘り下げていけば、自然と彼のキャラクターに近づけるんじゃないかと思っていました。深月はまっすぐに天体が好きで、ちょっと不思議な雰囲気もあるんです」

——深月は学園でも王子様的な人気があるという設定でした。そのミステリアスな部分を魅力に変えるために、どんなことを意識しましたか?

「言葉だけじゃなく、動きで優しさを見せられるように意識しました。監督と相談して、年上のように接すれば、それが表現できるんじゃないかと。早乙女星(福原遥)に対してもそうですが、深月は元気な泰陽を冷静に客観視してるような部分もあって、その見守っている感じが優しさに見えたらいいなと考えていました」

——撮影中は、共演した皆さんとどのようなお話を?

「大樹くんとはずっと一緒にいました。宿泊したホテルに温泉がついていたんですけど、毎日一緒に温泉に入っ——オフの日も一緒に出かけて」

——共演は初めてですよね。

「そうですね。自分は人見知りのタイプなんですが、大樹くんが色々と話しかけてくれて。自分が小学校の頃にダンスをやっていたのでその話とか、たわいもない話をしてました」

——ヒップホップのダンスをやっていたんですか?

「小学校2年から6年まで。中学と高校はサッカーをやっていたので、今は基礎を覚えてるくらいです。今、踊れと言われても、多分、身体がついていかないかも…」

——「3年A組朝礼体操」は大丈夫でしたか?

「ギリギリです(笑)。あれは動きが速いので、思った以上に疲れるんですよ」

——映画では水泳部の助っ人でもありましたけど、水泳は得意な方ですか?

「幼稚園から小学2年生くらいまでは習ってましたけど、それ以降は学校の授業だけ。でも、バタフライまでひと通りできます」

——ということは、運動神経がいいんですね。

「身体を動かすことは好きだったので、小さい頃はとにかく動いてました。高校までサッカーをやっていたんですけど、他のスポーツもひと通りできるというか、全部そつなくこなせる程度です。バスケやハンドボールも、身長があるからできるけど、パワーはないかも(笑)」

負けず嫌いは心に秘めて、俳優もモデルも全力投球

——今作では早乙女星(福原遥)を巡って、親友の宇田川泰陽(佐藤大樹)と対立する場面もありますが、もし親友と同じ人を好きになったら?

「あまり関係ないですね。自分は自分だから。親友にもその子が好きだとは言いません。だから、ライバルが出現しても、全く変わらないんじゃないかと思います」

——なるほど。恋愛をすると、いつもと変わったりしますか?

「そのままかもしれない。自分でそう思ってるだけかもしれないですけど、恋愛だけじゃなくて、何かあるから自分が変わるということはあまりないかもしれません」

——『花晴れ』でも『君スピ』でも、穏やかな性格の役柄が多いですが、ご自身は?

「あまり怒ることはないですね。ケンカもほとんどしたことがありません」

——サッカーを本気でやってたということは、熱くたぎる時もあったんでしょうか。

「ポジションはサイドバッグで、走れば走っただけ結果につながるので、とにかく走っていましたが、熱いのは苦手です(笑)。小さい頃は、試合に負けて悔し泣きすることもあったかもしれませんが、覚えてなくて。サッカーで負けず嫌いの気持ちは養われましたけど、あまり顔には出しませんね」

——モデルを始めたのは、高校生の頃ですよね。

「中学まではクラブチームに入って本気でサッカーやってたんですけど、上には上がいるし、高校で新しいことを始めたいと思って、事務所のオーディションを受けました。母が洋服好きで、小さい頃からいろんな服を着せられていて、ファッションに興味があったんです」

——モデルを志すきっかけがあったんでしょうか。

「具体的なものがあったわけじゃないんです。サッカーばかりの生活になったら、逆に服が気になって。ちょうど東出昌大さんが雑誌にたくさん出ていて、それに憧れて読んだりしていたんですけど、そのくらいです」

——同時に俳優の仕事もスタートしましたね。

「そうですね。でも、どちらも本業というか、モデルが俳優をやっていると見られるより、モデルではモデルとして、演技は俳優として観てもらえるように、両方と挑戦を続けていきたいと思っています」

——それは最初から?

「最初はモデルになりたかったので、演技のレッスンを始めたとき、演じることが恥ずかしくて苦手だったんです。でも、演じる楽しさを覚えたとき、これも本業として頑張りたいと思いました」

——モデルと俳優、それぞれに目標はありますか?

「モデルとしては、少しずついろんな服を着こなせるようになって、自分のスタイルを発信していきたいし、海外のショーにも出演してみたいです。俳優としては、とにかくいろんな役に挑戦して幅を広げていきたいと思っています」

単行本は1,000冊以上。オフはマンガと映画に熱中

——プライベートでは大のマンガ好きとのことですが。

「マンガ雑誌も色々読んでますし、単行本は数えたことはないですけど、確実に1,000冊以上あります。最近、電子書籍も買い始めたので、もう何冊あるのか…。家族みんなマンガが好きなのでみんなで読んでいるんですが、弟もサッカーをやってるので、サッカーマンガはとりあえず弟に預けたりしています(笑)」

——今ハマっているものは?

「藤原竜也さん主演で映画化される『DINER ダイナー』『僕の名前は「少年A」』とか、色々ありすぎてわからないくらい」

——アニメ化、実写化される作品も多いですよね。

「マンガを読んで、想像の中でその人物を動かすのが好きなので、映像化された作品はなるべく観ないようにしています。声や動きが特定されると、自分の中のイメージとは違うと思ってしまって。アニメはアニメで好きなんですけど」

——こだわりがあるんですね。

「こだわりというより、頭の中で想像するのが好きなんです。読みながら、コマとコマの間の動きを考えたり、配色を考えたり。少しでも空き時間があったら、ずっと読んでいます」

——では、オフの趣味というとマンガですか?

「映画も好きです。今朝も『ワイルド・スピード』をシリーズ3作観てきました」

——アクションものが好きなんですか?

「今日は勢いのあるものを観ようと思って『ワイルド・スピード』を観始めたらハマってしまいました。基本的にはヒューマンドラマ系の洋画が好きですけど、全般的に見ますし。映画館にもよく行きます。映画でもマンガでも、とにかくこだわりなくいろんなものを観ています」

——もし今、1ヶ月休みがあったら何したいですか?

「海外でも国内でも旅行したいです。海外ならどこでも。国内だったら友達とゆっくりドライブしたいですね。観光地を回って、おいしいもの食べて。趣味で写真を撮っているので、行ったことのない場所で美しい風景に出会ってみたいです」

ジャケット ¥45,000/ohta カットソー ¥7,800 パンツ ¥21,000/ともにbalt(すべてティーニーランチ 03-6812-9341) シューズ ¥70,000/Paraboot(パラブーツ青山店 03-5766-6688)その他私物

あの頃の甘く切ない気持ちを思い出す!
天文部を舞台に巻き起こるロマンチック・ラブストーリー

小学館『Sho-Comi』で連載され、累計発行部数120万部を突破した人気マンガが映画化。東京から長野への引っ越しをきっかけに、地味で暗いと言われてきた17年間をリセットするつもりだった早乙女星(さおとめせい/福原遥)。しかし、転校初日に失敗してしまい、学校になじめず、勉強も落ちこぼれてしまう。

そんな時、ちょっぴり意地悪で強引な学年トップの秀才・宇田川泰陽(うだがわたいよう/佐藤大樹)と、天文好きで無口な大高深月(おおたかみづき/鈴木仁)に出会う。星の名前と乙女座の星・スピカを重ね合わせる深月に、恋をする星。一方で、何かと衝突してくる泰陽も、星に惹かれていることを自覚したが、そのとき、泰陽の元カノが現れて…。

「好き」という気持ちが引力になり、身動きが取れないもどかしい3人。ピュアな恋愛模様と、長野の美しい自然や満点の星空にも心が洗われる作品だ。

『4月の君、スピカ。』

出演/福原遥、佐藤大樹、鈴木仁、井桁弘恵/大谷亮平、酒井美紀ほか
監督/大谷健太郎
原作/杉山美和子(小学館『Sho-Comi』連載)
URL/kimispi-movie.com/
2019年4月5日(金)より全国公開
©2019杉山美和子・小学館/「4月の君、スピカ。」製作委員会

Photos: Kanta Matsubayashi Styling: Kazuyuki Tamura Hair & Makeup: Hideaki Mayumi Interview & Text: Miho Matsuda Edit: Yukiko Shinto

Profile

鈴木仁(Jin Suzuki) 1999年生まれ。東京都出身。2014年アミューズオーディションファイナリスト。第31回メンズノンノ専属モデルオーディションにて準グランプリを獲得し、デビュー。2018年ドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』ではC5の成宮一茶役、2019年『3年A組-今から皆さんは、人質です-』では里見海斗役を演じ話題に。『4月の君、スピカ』『小さな恋のうた』などの公開を控える。

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2025 N°183

2024.11.28 発売

Future Vision

25年未来予報

オンライン書店で購入する