菜波インタビュー「何かに挑戦しているとき、いちばん自分らしさが出る」 | Numero TOKYO
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菜波インタビュー「何かに挑戦しているとき、いちばん自分らしさが出る」

旬な俳優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。vol.101は菜波にインタビュー。 さまざまなスポーツの国際大会が盛り上がるなか、8月25日から「FIBA バスケットボールワールドカップ 2023」が開幕。大ヒット映画『THE FIRST SLAM DUNK』の影響もあり“バスケ熱”が高まる今こそ観戦を楽しみたい。今回は日本テレビ系『Going! Sports&News』(毎週土日23時55分〜放送中)のバスケットボールサポーターを務める、モデルの菜波にインタビュー。学生時代には選手として活躍した彼女にバスケの魅力や今大会の見どころ、オフの過ごし方などについて聞いた。

バスケ部時代もモデル業でも、陰の努力を大切に

──あらためて昨年、スポーツ&ニュース番組『Going! Sports&News』のバスケットボールサポーターに抜てきされた時の率直なご感想は?

「『Going! Sports&News』は以前からよく見ている番組だったので、『あのGoing?』とマネージャーさんに何回も確認しました。家に帰ってすぐに一緒に住んでいる祖母と母に報告するととても喜んでくれて。私は中高6年間、バスケ部に入っていて、いつかバスケのお仕事をしたいとずっと夢見てきたので、本当に光栄でした」

──本腰を入れてバスケに取り組んでいたんですね。

「都内でベスト16入りを目指すようなバスケ部だったので…。休みがなくて、本当に遊ぶヒマがなかったです」

──中高両方で副キャプテンを務めたそうですね。そもそもバスケはレギュラーメンバーが5人と決まっているので、レギュラー争いも激しかったのでは?

「私は負けず嫌いなので、一人ひとりが高みを目指してどんどんレベルアップしていくような環境を楽しんでもいました。ケガなどでちょっと休んでしまうとレギュラーが他の人に奪われるという危機感があったので、多少のケガをしてもテーピングをして練習や合宿に行ってました」

──ポジションはゴールに最も近い、センターだったとか。

「センターはゴール下でシュートを打ったり、対戦相手を押し込んでリバウンドを取ったりする役割を担います。審判の目に留まらないところで対戦相手と肘を入れ合うなど、とにかく粘り強さが大事なんです。嫌がらず『こんちくしょ〜』とぶつかることが求められる。私は昔から泥くさい性格というか、粘り強さがあるのでしつこくするのが得意だし、痛みもわりと我慢できる。センター向きだと自負してます!」

──当時の経験は今のお仕事に役立っていますか。

「今も生きていると感じることは多いです。勝負強さと根性はとても鍛えられました。私は不器用で『練習しなくてもなんかできちゃった!』なんてことは全くなかったので、皆と同じ練習量をこなすだけで上手くなるのはなかなか難しい。部活以外でも時間を作ってひたすら自主練習していました。このスタンスは今のお仕事にも通じているかもしれません。モデルとしてカメラの前で撮られる瞬間が全てではなく、むしろカメラの前に立つまでの過程こそ大事だと思います。体型、体調の管理はもちろん、メンタルも健やかに保たないと、写真に全て出てしまう。だから“陰の努力”を惜しまないことの大切さは、昔も今も感じています」

菜波=“バスケの人”と知ってもらうことが目標

──8月25日から「FIBA バスケットボールワールドカップ 2023」がいよいよ始まります。今回初めて観戦する人は何に注目するといいでしょう。

「やっぱりシュートに注目していただきたいです。勝敗にダイレクトに絡むので面白いですし、ダンクシュートもプロの試合ならではの見どころです。それと合わせて注目してほしいのが、シュートに至るまでのボールのつなぎ。特に富樫勇樹選手や河村勇輝選手などのはアシストパスは芸術的で、『どうしてここにいる選手が見えているの?』というなんて位置から鮮やかなパスを繰り出すので、見ものです」

──菜波さんが思う、今回の日本代表チームの持ち味は?

「スピード、スリーポイントシュート、チームディフェンスの三つですね! 今回日本代表チームのヘッドコーチを務めるのは、東京五輪で女子バスケを銀メダルに導いたトム・ホーバス氏。トム・ホーバスヘッドコーチは、他国の高身長な選手と戦うためにチームで勝つという戦略を考え抜いています。もともと日本のバスケはスピードに定評がありますが、今回はそれに加えてスリーポイントシュートやチームディフェンスにも力を入れています。特に最近はスリーポイントの精度がどの選手もかなり高くなっている印象です。例えば、アメリカのネブレスカ大学の富永啓生選手などは成功率がとても高くて圧巻です」

──今回の日本チームは目標をどこに据えているのでしょうか。

「まずはアジアで一位を取ること。それを達成すれば、パリ五輪の出場が決まります。ただ、かなりハードルが高いので簡単ではありません。鍵となるのは初戦のドイツ戦。世界ランク11位と侮れませんが、ここで勝てたら勢いがつくはずです。8月25日、テレビで一緒に応援しましょう!」

──日本チームの戦い以外の見どころは?

「個人的に注目しているのは、スロベニア代表のルカ・ドンチッチ選手。決してスピードがあるわけではありませんが、渡邊雄太選手も『一対一になると止められない』と言うくらい、テクニックに優れた選手なんです。」

──今回どんな思いでサポーターのお仕事に取り組みますか。

「まずはバスケを知らない人に面白さを伝えたいというのが一番です。バスケ未経験の方にも楽しんでもらえるよう、客観的な視点を持って、私なりに咀嚼して伝えられればと思っています。今回のW杯が終わっても、来年にはパリ五輪があります。パリ五輪での試合はぜひ現地で応援したいです!」

──バスケットボールサポーターに適任ですね。

「『菜波は“バスケの人”でしょ?』と多くの人に知ってもらうことを目標に、バスケのお仕事は今後もずっと続けていきたいなと思っています。もちろんモデル業も頑張りますし、これからはテレビのバラエティ番組にも多く出たいです。バスケ部でカラダを張ってきたのもあって(笑)、何かに挑戦している時に自分らしさがいちばん出ると思っています。新しいことに挑戦し続けて、それを見た人に『自分も頑張ろう』と思ってもらえるような存在になりたいです。そのためにも、心身を整えることを日々意識したいですね」

資格を取るほど、ヨーグルト好き

──心身を整えるアプローチとして、どんなことに取り組んでいますか?

「身体についてはやっぱり食と運動。私の場合、筋トレと並行して意識的に発汗するよう心がけています。ホットヨガをしたり、よもぎ蒸しや酵素風呂にも入りに行きます。有酸素運動をするときは、筋肉が付きやすいのでランニングでなく大股の早歩きに取り組んでいます。
メンタルケアにはやっぱりバスケですね! 友達からバスケができる場所を紹介してもらったり、地域の体育館でやっているところに混ざったり(笑)。バスケをすると元気が出るんです」

──特にハマっていることはありますか。

「ヨーグルトに取り憑かれてます(笑)。大学では栄養学を勉強していたのですが、中でも腸の勉強がとても面白くて。もともとヨーグルトが大好きだったので、フードスペシャリストに加えて、ヨーグルトソムリエや乳酸菌ソムリエの資格も取りました。ヨーグルトは自分の身体に合う菌が配合されたものを2週間以上食べ続けることが大切です。だから、私も5種類近くヨーグルトを買い、ブレンドして食べています」

──好きなヨーグルトの食べ方は?

「今のお気に入りは胃の調子を整えるのに役立つLG21と、生きた状態で腸まで届きやすいと言われるカスピ海ヨーグルトの組み合わせ。お通じ改善には最強のコンビです。それから、ヨーグルトにドライマンゴーなどを一晩つけて食べるのも定番です。食物繊維が摂れますし、ドライマンゴーがヨーグルトの水分を吸うのでギリシャヨーグルトのように濃厚になります。蜂蜜漬けの梅干しを入れるのもおいしいです!」


──オフの日は何をして過ごすのが好きですか。

「ドライブをして過ごすのが好きです。マニュアルの免許も持っているほど、車の運転が好きなので、自然のあるところへ出かけることが多く、近場では海ほたるが大好きです。また車内は一人カラオケに絶好の場所なので(笑)、自分で作ったプレイリストをガンガンかけながら、あえて遠回りするのも好きです」

──オンオフともに充実していますね。時間のやりくりが上手そう。

「そういえば…、大学時代履修を組むのはめちゃくちゃ得意でしたね。効率的かつ戦略的に単位を取れるよう工夫して組んでいて、友達には“履修の神”と呼ばれてました(笑)」

ドレス¥176,000 スカート¥122,100 ブーツ¥103,400/すべてMM6 Maison Margiela(マルジェラ ジャパン クライアントサービス 0120-934-779) その他スタイリスト私物

FIBA バスケットボールワールドカップ2023

日程/2023年8月25日(金)~9月10日(日)
開催地/フィリピン(マニラ・ケソン)、インドネシア(ジャカルタ)、日本(沖縄)
放送・配信/全試合DAZNでライブ配信するほか、グループステージの日本戦は日本テレビ系列とテレビ朝日系列で、決勝戦は日本テレビ系列で生放送予定。
https://www.fiba.basketball/jp/basketballworldcup/2023

Photos:Ayako Masunaga  Styling:Yamamoto Takashi(style³) Text:Nao Kadokami Interview & Edit:Sayaka Ito

Profile

菜波Nanami 1998年9月10日生まれ。東京都出身。中高6年間、バスケットボール部に所属してバスケに明け暮れる。2018年、自身のインスタグラムに投稿したバスケットボールのドリブル動画が1日で200万回以上の再生回数となり話題に。2019年、女性ファッション誌『CanCam』の専属モデルとしてデビュー。以後、隔週木曜生配信のSHOW ROOM『CanCamRoom』の番組MCを務めるほか、数々のバラエティ番組やバスケットボールをテーマにした番組に出演するなど活動の幅を広げる。2022年9月より日本テレビ『Going! Sports & News』土曜レギュラー・バスケットボールサポーターを担当。

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