小顔美人ほどいびきをかいている!? “眠りが浅い”悩みを徹底解説!
生活スタイルの変化で、眠れない人が増加中。心の健康と美容、それに人生までも左右するから。コツを知って、量よりパフォーマンスを上げる睡眠を。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年3月号掲載)
あなたの睡眠時“酸欠”リスクは?
CHECKLIST
□ いびきを指摘される
□ 歯ぎしりをしている
□ あごが小さい or 首が細め
□ 朝の頭痛がよくある
□ 日中眠気に襲われる
□ 記憶力が落ちた、物忘れが激しい
歯科医師
宮地舞さん
東京都生まれ。東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業。UCLA歯学部病院にて、口腔顔面痛・睡眠歯科医学専門医プログラム修了。アメリカ口腔顔面痛専門医を取得後、帰国。米国睡眠歯科学会(AADSM)認定医。父親が院長を務めるDENTISTRY TOKYO SINCE 1925 MIYACHI SHIKAに勤務。
あなたは大丈夫? “隠れ”睡眠時無呼吸
5人に1人が潜在的に睡眠時無呼吸といわれる日本人。「睡眠の質が落ちるだけでなく、息が止まることで酸欠になるのが大問題。放っておくと、肥満や糖尿病など寿命を縮める原因に。呼吸が5秒以上止まっているかが目安です」と宮地舞先生。“おじさん”のなるものというイメージが強いけれど……。実は小顔&痩せ型の女性も要注意!「意外かもしれませんが女性や子どもにも多いのです。あごが小さく奥まっている、首が細いなど、気道が狭くなる骨格的特徴が関係しています。太りすぎも要注意。昼でも夜でも、脳が必要とする酸素量は同じ。酸素供給量が少ないと、肌荒れや老化にもつながります。自分では症状がわかりにくく、放置している女性が多いのが心配です」。エステなどのうたた寝で、“ンガッ!”といびきをかく人は無呼吸のサイン!
見極めのポイントは。「いびき、日中の眠気、朝の頭痛が三大症状です。ひとつでも当てはまれば可能性があります。いびき=口呼吸が原因、ということ。日頃から鼻呼吸のクセをつけておきましょう。睡眠時に無意識で行っていることは残念ながら止められません。夜寝る前に対処することも大事。歯ぎしりには、咬筋のボトックス注射なども有効です」
酸素不足で寝ていると“老け”やすい体に!
気になったら睡眠外来へ行くことからスタート。睡眠時無呼吸と診断されたらどのような治療が行われる?「 マウスピースで気道を広げたり、抱き枕で横向きに眠るなど、手軽な方法で対処できることもあります。生活習慣や鼻呼吸の改善、リラックスして眠ることなども有効です。より深刻な人にはCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)の装着、外科手術などの治療法もあります」
宮地先生は歯科医師。歯科×睡眠というと意外な感じもするけど……?「アメリカでは、睡眠歯科外来というのはポピュラーなんです。生産性の低下や交通事故など、睡眠による損失は大きな社会問題。歯科医師は口腔内を診る際に、“睡眠時の呼吸障害がないか”も診る習慣があります。意識の高い女性が、美と健康のためにスリープクリニックへ行くのも常識。それだけ睡眠への意識が高いのです。人生100年と考えると30年は寝ています。お手入れしているのに年相応の外見が保てていないと感じるなら、睡眠の質を疑ってみてください」。睡眠は美しく健康な明日へ進むための時間! 睡眠環境を見直してみて。
DENTISTRY TOKYO SINCE 1925 MIYACHI SHIKA
歯からウェルビーイングを考える審美&睡眠歯科クリニック。専門医療機関との連携も密に行い、アメリカの先端技術と考え方を積極的に取り入れたハイスペックな治療を自由診療で行う。友人の家に招かれたような心地よい空間には、VIPのためのプライベートルームやヒーリングルームも完備。
住所/東京都渋谷区上原1-17-6
TEL/03-5738-8487
https://dentistrytokyo.com/
このクリニックでも導入している睡眠評価装置「ウォッチパット ユニファイド」。指先につけて寝るだけで、睡眠時の無呼吸レベルや酸素不足レベルを測定。精密検査価格¥70,000(カウンセリング付き)。熟睡感の欠如がなくても、血中酸素濃度80%というショッキングな結果の人も! 90%以下は“呼吸不全レベル”。いかに睡眠時無呼吸が高リスクかがわかる。
いびきを防ぐ! 就寝前の鼻呼吸5分エクササイズ
「マスク生活では口元が緩みやすく、口呼吸になりがち。就寝前に、鼻で吸って鼻で吐く練習を。3秒吸って5秒吐く、を5分間。お腹まで空気を入れながらゆっくりと。片鼻呼吸で左右バランスもチェック」(宮地先生)。起床時に口が乾いている、歯並びが悪い、口臭がするという人は口呼吸グセの可能性大! ぜひ試してみて。
Photos: John Chan Illustration: Asami Hattori Edit & Text: Naho Sasaki