11/17(日)まで。とにかく見てほしい! 写真家・操上和美のスペシャルな展覧会 | Numero TOKYO
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11/17(日)まで。とにかく見てほしい! 写真家・操上和美のスペシャルな展覧会

とにかく見てほしい! 身もふたもない言い方で申し訳ないのですが、とにかく見てほしい! 現在、東京・代官山のヒルサイドフォーラムで、写真家、操上和美さんの個展「Kurigami88」が開催されています。ヌメロ・トウキョウ本誌の連載「男の利き手」で、創刊から180人以上の「手」を撮影してくれている操上さんは、2024年1月に88歳を迎えました。今回の個展では、操上さんの88歳の誕生日を記念して作成された私家版集『Kurigami88』の中から厳選された25枚の写真と文章が展示されています。

25枚の写真は、ほとんどがポートレイト。その面々は圧巻!のひと言なのですが、本当にすごいのはもちろんそこではありません。操上さんのカメラのフィルターを通してそこに現れた姿は、こちらが息を飲むほど緊張感のある真剣勝負のように見えたり、特別な何かに触れるような畏敬の念を感じたり、ワクワクするような興奮を覚えたり、笑顔になってしまうくらい優しさにあふれたものだったり……、見る側にもいろいろな感情が押し寄せてきて、ただただ写真の前で立ちすくむばかりでした。

さらに興味深いのは、写真に添えられた操上さん自身の言葉です。その内容は、その写真を撮影した当時やその後の思い出話が中心なのですが、率直な語り口がなんとも想像の斜め上からすぎて、へえ〜!と感心したり、クスッと笑ってしまったり、じ〜んと心に響いたり、これまた感情のジェットコースター。この文章を読めることは、操上さんの豊かな感性、美学が垣間見られるとてもとても貴重な機会。写真だけでなく、この文章にも多くの人に出会ってほしいなと思います。

さらに今回、あらためて操上さんのキャリアの圧倒的な長さを実感。というのも、ポートレイトの中には惜しくも鬼籍に入られた方々もいらっしゃるのですが、私の中ではすでに“歴史の中の偉人”になっている方もおり、少し頭が混乱してしまったという……。

そんな混乱が起こるほどのキャリアを持ち、いわゆる大御所、そしてレジェンドと言われる操上さん。でも、操上さんはいつも新しい。常に学び、考え、失敗を恐れず本気で挑戦する、そんな姿勢がいつも新しい写真で私たちを驚かせ、感動させてくれる理由なのだと思います。

なんと、こちらの個展「Kurigami88」は今週末、11月17日(日)まで。ぜひご覧ください!

「Kurigami88」
会期/2024年11月12日(火)~17日(日)
会場/ヒルサイドフォーラム
住所/東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟
営業時間/11:00~20:00 ※最終日は19:00まで
入場料/500円(中学⽣以下無料)
URL/https://hillsideterrace.com/events/15009/

Profile

伊藤さや香Sayaka Ito シニア・エディター。フランス文化への憧れがすぎて、慶應義塾大学文学部仏文学専攻を卒業。ファッション誌などのライターを経て、フランス版『Numero』の日本語訳小冊子の編集に携わる。その後『Numero TOKYO』に創刊メンバーとして参加。主に、映画、本、アートの連載&企画を担当。最近は、貴重なレトロスペクティヴ上映などを通して自分を省みがち。2児の母。

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