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People Personality

浅野忠信インタビュー
「生まれ変わったらミュージシャン」

自分自身の今に影響を与えた人物や、ターニングポイントとなった出来事、モノ、場所との出合い。それをきっかけに変化し成長した自分を振り返る。浅野忠信のビフォー&アフター。(「ヌメロ・トウキョウ」2017年11月号掲載

Photo:Masato Moriyama
Hair & Makeup:Hayato Toyama
Interview & Text:Maki Miura
Edit:Saori Asaka

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──木曜劇場『刑事ゆがみ』で民放ドラマ初主演。『A LIFE 〜愛しき人〜』に続いてのドラマ出演ですね。映画のイメージが強い浅野さんがドラマに出ようと決めた理由は?

「まず“映画”の感覚が変わったんです。僕が20代の頃はインディーズ映画が流行り、そこに居場所があった。30代ではミニシアターが減る一方でテレビ局が大作を作り、僕も必要とされた。今は自分で数分の動画を作ってYouTubeやInstagram、facebookにアップできる時代。映画『モンゴル』の撮影で訪れた砂漠みたいな町にも、小さなインターネットカフェがあったんです。そこで子どもたちがパソコンにかぶりついて映画を見てて、これだ!と。映画館の大スクリーンで見るに越したことはないのだけど、希望や共有できる何かをみんなで語り合える場所が映画なんです。その光景を見てから、映画にこだわる意味合いが変わりました。うちの隣に住むおばちゃんが『『ALIFE』見たわよ! 院長、憎たらしい〜』って言ってくれる。僕は映画館に執着するより、隣のおばちゃんと語り合いたい。作品を通してパッて花開いたものを共有することが映画的なんだなと」

──ではドラマと映画の違いは?

「連続ドラマだと1話が放送されて、自分でも視聴者目線で見ることができる。同時に、嫌でも反応を嚙み締めて、2話のアプローチが自ずと変わる。次はこうやっちゃおう! 俺はまだまだ行ける!と。つまりドラマは視聴者と共に作る行為なんです。それは映画ではあり得ない」

──確かにドラマには双方向で作る面白さがありますね。『刑事ゆがみ』で浅野さん演じる天才偏屈刑事は、弓神適当(ゆがみゆきまさ)という名前からして強烈。この苗字は“歪み”から?

「そうですね。でも、もしかしたら弓神が真っすぐで、世の中が歪んでいるのかもしれない。真っすぐとは何かがドラマで描かれていくかと」

──適当(ゆきまさ)という名もユニークです。浅野さんは適当派? きっちり派?

「元はめちゃくちゃ適当なタイプです。それで怒られ続けて、過剰に真面目になる。周りが引いちゃうほど(笑)。案配のいいところに落ち着けず、両極端を行き来しています」

──芸能界に入ったきっかけは?

「父親が芸能マネージャーをやっていて、『3年B組金八先生』のオーディションを受けたら?と。僕も目立ちたがり屋だったから、テレビ出たい!と受けたら受かっちゃって。元SMAPの森且行さん、V6の長野博さん、萩原聖人さんが同級生。もう一つの中学に行く感覚で楽しかったです。その後、映画『バタアシ金魚』に出て、こんな面倒な仕事はもう絶対にやらないと思った。待ち時間の長さに、この俺を待たせやがって!みたいな(笑)。でも親がどんどんオーディションを振ってくる。僕もあまのじゃくで負けず嫌いだから、オーディションで勝手な芝居をすると、逆にそれがウケて、また受かったりして」

──俳優でいくと決めたのは?

「18歳くらいです。もう本当にやりたくないと泣いて親子げんかして(笑)、それでもやらなきゃいけないと諭された。僕、すごいバカで、高校中退してフラフラしながらパンクバンドをやっていたので。親からしたら心配ですよね。こいつが食えるようになるのは俳優しかないだろうって。今はとても感謝しています。その頃はおばあちゃんが生きていて、『あんたが音楽好きなのはわかってる。音楽は俳優やりながらできるでしょ』と言ってくれた。自分を理解してくれる人がいることが大きくて、意志が固まったわけです」

二度と俳優をやらないために

Profile

浅野忠信(Tadanobu Asano) 1973年生まれ、神奈川県出身。90年『バタアシ金魚』でスクリーンデビュー後、映画を中心に活躍。国内作品のみならず、ウォン・カーウァイ、クリストファー・ドイル、セルゲイ・ボドロフ、マーティン・スコセッシなど名だたる映画監督の海外作品にも多数出演。10月12日スタートの新ドラマ、木曜劇場『刑事ゆがみ』(フジテレビ系 毎週木曜22時〜)に主演し、神木隆之介とのバディを演じる。

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