鈴木伸之インタビュー「毎日4時間英語を勉強しています」 | Numero TOKYO
Interview / Post

鈴木伸之インタビュー「毎日4時間英語を勉強しています」

自分自身の今に影響を与えた人物や、ターニングポイントとなった出来事、モノ、場所との出合い。それをきっかけに変化し成長した自分を振り返る。鈴木伸之のビフォー&アフター。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2019年7・8月合併号掲載)

──もともと俳優志望でしたか。 「特に芸能界を目指していたわけではないんです。漠然と歌を歌ってみたい、有名になりたいという単純な発想から、18歳のときにVOCAL BATTLE AUDITION 2を受けました。EXILEとATSUSHIさんに憧れて」 ──そこで事務所の方から声がかかり、レッスンを受けた後に劇団EXILEに参加。俳優の道を進まれたわけですね。 「色々と迷うこともありました。まさか自分が俳優になるなんて! でも劇団EXILEという母体があることは、すごく心強かったです」

──大勢の前で演技をする、台詞を言うことに戸惑いはなかったですか?

「それまで人前に出たことは一度もなかったかもしれません。シャイではなかったけど、前に出るタイプではなかったので。初仕事では台詞が二言しかなくて、それでもかなり怒られました」

──仕事の上でのターニングポイントはいつでしたか。

「常に、何か作品に出るたびにターニングポイントだと感じています。ドラマ『ルーズヴェルト・ゲーム』では敵方の野球部のピッチャー。もともと野球でピッチャーをやっていたことからいただけた役で、男性からの反響が多かったです。『あなたのことはそれほど』ではヒロインの不倫相手。これも人気がありましたね。『今日から俺は!!』で演じた不良のリーダー片桐役はすごく話題になり、うれしかったです。いま、放送中の月9ドラマ『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』もそうなるといいなぁって」

──整形外科医の辻村駿太郎を演じていますね。医者役は初めてとか。

「はい。白衣を初めて着たので新鮮です。しかし専門用語が多くて、台詞が難しい! 覚えるのに時間がかかり、ひたすら繰り返し読んで頭に叩き込んでいます。挑戦の多い役ですね」

──辻村はどんな男性ですか。

「イケメンで自信たっぷりな男です。同じ病院に勤めるヒロインの甘春杏(本田翼)に恋して、主人公の五十嵐唯織(窪田正孝)とライバル関係に。でもなぜか、あまり振り向いてもらえない(笑)。整形外科医の診療シーンは真剣に、ロマンスではちょっとコミカルに。そのギャップを作れたらと思いながら演じています」

──いま、俳優業は楽しい?

「はい。少しずつ、大きな役をもらえるようになってきて、充実しています。自分が演じることを楽しむというよりも、オンエア後にいろんな方がストーリーや人物について、あれこれ面白そうに話してくれるときが一番うれしいです。いまはとにかく、この月9を成功させたいです」

──この先、やりたい作品は?

「ここ5年ほど『海猿』みたいな作品をやりたいと言い続けていますが、なかなか叶わない(笑)。40歳くらいで来るでしょうか? 『海猿』は命をテーマにしたメッセージ性の高い作品。わかりやすくて老若男女が楽しめる、エンタメとして感動できるのが魅力です。いわば、ハリウッドの娯楽大作に近い気がして。できるなら、大規模なエンタメ作をやりたいです」

──オフはどのように過ごしていますか。

「ゴロゴロしています(笑)。とにかく家が一番好き。最近は『ウォーキング・デッド』にハマって見続けています。あと映画が好きですね。仕事云々より、エンタメとして楽しむ感じで。昨日は『アリー/スター誕生』を見ました。レディー・ガガは本当に歌がうまくて、素晴らしかった。知り合いに勧められて観た『ヒッチコック』も良かったです」

──映画がお好きなんですね。今年は主演映画『時々もみじ色』も公開予定で、楽しみです。憧れる俳優は?

「岡田准一さん。彼みたいな存在感のある俳優、素敵です」

──俳優業の傍ら、マシュマロキャッチのギネス記録をお持ちなんですね。

「LDHのTU企画の番組で挑戦しました。僕がマシュマロを投げて、八木将康がお箸でキャッチするという。僕はただ投げているだけで、彼の才能が素晴らしかったんです」

──でも長縄跳びの縄を回すのが重要なように、投げるのもコツがいるのでは?

「そうですね。ギネス記録にはこれからまた挑戦するので、待っていてください。どんどん塗り替えます!」

──燃えていますね(笑)。それ以外で関心のあることは?

「英語を勉強しています。ハリウッド映画に出たいと思って、4年後を目標に取り組んでいます。毎日4時間、ひたすら聞いて喋って書いて覚えています。僕、全然勉強できないし苦手なんですけど、ちょっとずつ覚えてきた手応えを感じているところです」

──目標に対してどのくらいのレベルにいますか。

「まだ2%ぐらい(笑)」

──多忙な毎日で、一日4時間を捻出するのは大変では?

「いや、意識すれば取れます。仕事の待ち時間や帰宅後に少しでも時間をつくります。休みの日はレッスンを受けています」

──コツコツ地道に積み上げるタイプなんですね。

「意外とそうかもしれないです。確実に目標を捉えることは苦手じゃない。と言っても、僕はもうこの俳優の仕事は9年目。芸歴が長くなっていく焦りがあります。自分では、時間がかかりすぎている気がして。僕、この仕事を始めた頃は、2年目で、お風呂に札束を浮かべて入っていると思っていたんですよ(笑)。最初の5年間は毎日、安くて作るのが簡単なパスタばかり食べていました」

──その努力が今、実りつつあるわけですね。今回、月9に初出演。次は大河ドラマか朝ドラ?

「朝ドラやりたいなぁ。それこそ老若男女幅広く見ているし、イメージがいいじゃないですか。あとCMに出たい!」

──宣伝したい商品はありますか。

「飲料と冷凍食品。冷凍食品は簡単に作れるから、よく食べていました」

──食べ物や飲み物、似合いそうです。ご自分の性格を分析すると?

「自由が好き。束縛されたくないです。仕事の上の規律は苦ではないですが、どんなことでもがんじがらめにされるのは嫌いかも」

──ご兄弟は?

「男3人兄弟の末っ子、全員年子です。昔はけんかしましたが、今は仲良し」

──末っ子はお兄さんたちを見ているから、要領が良いのでは?

「確かに世渡り上手でちゃっかりしているかもしれないです」

──虎視眈々と、上を目指していますね。この先が楽しみです。

「まだどの夢も叶っていないですから。もしお風呂に札束を浮かべたら、インスタグラムに画像をアップしますよ(笑)」

シャツ¥125,000 パンツ¥96,000/ともにDior(クリスチャン ディオール 0120-02-1947)

Photos:Masato Moriyama Styling:Kenichi Hiramoto Hair&Makeup:Shinya Shimokawa Interview&Text:Maki Miura Edit:Saki Shibata

Profile

鈴木伸之Nobuyuki Suzuki 1992年生まれ。神奈川県出身。2010 年に劇団EXILEに加入。11 年に『ろくでなしBLUES』でテレビドラマ初出演、12 年に『桐島、部活やめるってよ』で映画初出演を果たす。18年には、NHK 連続テレビ小説『半分、青い』やドラマ『デイジー・ラック』、『あなたのことはそれほど』『今日から俺は!!』などに多数の作品に出演。現在は、『ラジエーションハウス〜放射線化の診断レポート〜』(フジテレビ系にて毎週月曜21時〜)に出演中。

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する