祝50周年!「Paul Smith」英国テーラリングが光る2020秋冬コレクション | Numero TOKYO
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祝50周年!「Paul Smith」英国テーラリングが光る2020秋冬コレクション

2020年1月19日(日)、2020年秋冬パリメンズファッションウィークの最終日を飾ったポール・スミス(Paul Smith)。ブランド創立50周年の節目となった記念すべきショーの模様をレポート。

ポール・スミスならではのモダンツイストを加え、今までの軌跡を表現

イギリスを代表するデザイナー、ポール・スミスの2020年秋冬メンズ、ウィメンズコレクションが、パリメンズファッションウィークの最終日に行われた。

フロントロウにはアナ・ウィンターを始めとした世界各国のトップファッション誌の編集長、スーザン・サランドン、ジョン・ハム、ジミー・ペイジなどのアメリカンセレブ、そして日本からは、モデルの森星、ポール・スミスのメンズブランドアンバサダーで俳優の三浦春馬などが華やかに顔を揃えた。

(左)イアン・マッケランとナイル・ホーラン
(右)ジョン・ハムとスーザン・サランドン

三浦春馬、アナ・ウィンター、ウィル・ウェルチ、森星
三浦春馬、アナ・ウィンター、ウィル・ウェルチ、森星

コレクションのオープニングには、フロントのスクリーンでポールがコレクションを始めた1970年代から現在までのコレクションを10年ごとに追ったムービーイメージが流れ、その後、白いハイネックのシャツに全身アースカラーのスーツ、そしてバケットハットを被ったモデルでショーは始まる。

細身のシャープなシングルボタンのダブルブレストジャケット、白黒のポルカドットのオーバーサイズのパッチワークシャツ、フルレングスのシアリングコート、フローラルカモフラージュのダークデニムなどさまざまなキーアイテムが登場。そしてコレクションで一際目を引いたのはキーカラーとなる鮮やかなブルーのスーツ。未来を象徴する色だ。

このショーをフロントロウで見ていたモデルの森星が、会場で着ていたのはダークブルーベルベットのタキシードにTシャツ。ボーイッシュでありながらウルトラキュートだ。

今回の衣装を自分でチョイスしたという彼女はポール・スミスの魅力をこう語る。「やはりいちばん好きなのはスーツです。今回私が着ているスーツもそうですが、彼のウィメンズ・コレクションの魅力は中性的なところ。それは私自身にも通じるところがあるから。クラシックになりすぎず、モダンなツイストを感じるデザインがとても好きです」

また「普段でもポール・スミスを愛用している」と言う、日本におけるポール・スミスのメンズブランドアンバサダーである三浦春馬はこう語る。「ハイネックのカシミアセーターに、さりげなくジャケットを重ねるスタイルが気に入っています。ポール・スミスのシャープなブリティッシュスタイルはかっこいいですね。彼は、いつまでも探究心を忘れない心を持ち、自由に仕事を楽しんでいる感じが印象的です。今回50周年を迎えると聞いて、本当に尊敬しますし、この瞬間に立ち会えたのは光栄です」

今回のコレクションに関しては、とくに「アーカイブの作品を取り入れたのが特徴」と言うポール。彼がコレクションを始めた1970年代当時から変わらないクリーンですっきりとしたシルエットのテーラリングを中心に、過去の事例や作品をアクセントとして取り入れる。

例えば70年代祖母が着ていたようなシアリングコート。これはダンディーで華やかにこのコートを着こなしていた当時のポールの友人たちのスタイルからインスパイア。

80年代に発表されたファックスプリント。あえてファックスで間違って伸びたようなデザインのロゴにしてシャツやジャージなどにあしらわれる。また、同じ80年代に東京で撮った食品サンプルのスパゲティの写真。当時これをフォトグラフィックプリントにしてシャツに用いた。今回はこれをパターン化してディコンストラクトしたニットやマキシ丈のダウンジャケットのプリントに用いるなど、過去からインスピレーションを取り入れてコレクションに反映させている。

「心を大切にし、常に一貫性を持つこと。そして何事も一生懸命に取り組む姿勢に尽きます」。ポールは自身の哲学をこう語る。1970年彼のホームタウンであるノッティンガムにたった3平方メートルの店「Paul Smith Vêtements Pour l’ Homme」を初めてオープン。そして1979年にはロンドンのコヴェントガーデンのフローラル・ストリートにフラッグシップショップを開き、本格的にブランドを立ち上げて以来、現在では世界中にショップを展開。彼の哲学をブレることなく貫いてきたからこそ、50年という長い年月の間変わらずビジネスを成功に導くことができたのだろう。そして、さらに過去から未来へと彼のスタイルを紡いでいく。

まさに、最新トレンドが随所に散りばめられながら、彼らしいクラシック&モダンのツイストが効いたクレバーなコレクション。ブラボー、ポール・スミス!

Text: Chise Taguchi Edit: Yukiko Shinto

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