Snow Man 渡辺翔太×芳根京子で描く、新たな視点の『ピーターパン』 | Numero TOKYO
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Snow Man 渡辺翔太×芳根京子で描く、新たな視点の『ピーターパン』

J.M.バリーの名作『ピーターパン』は多くの人が子ども時代に親しんだ物語だ。ディズニーのアニメで見たことがある人も多いだろう。

この物語をウェンディの視点から大胆に翻案した『ウェンディ&ピーターパン』が、5年ぶりに日本で上演される。ピーターパンと共にネバーランドへ旅立つ少女として知られてきたウェンディ。しかし本作での彼女は、誘われるままに夢の世界に連れ出される存在ではない。

この作品を生み出したエラ・ヒクソンは、英国の劇作家・演出家で、著名な物語や歴史上の人物を現代のジェンダー観や社会構造の視点から捉え直す作風で知られている。今作のウェンディも、やんちゃな弟たちの母親代わりとして描かれるのではなく冒険の中心にいる。ウェンディの主体性を掘り起こした作品と言えそうだ。

演出は英国を拠点に活動するジョナサン・マンビィ。英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、ロンドン・グローブ座などの名門劇場を始め、ウエストエンド、ブロードウェイなど欧米各地で数々のプロダクションを手掛けている。BunkamuraのDISCOVER WORLD THEATREシリーズでもアーサー・ミラー『るつぼ』、イプセン『民衆の敵』などを演出してきた。

今回はダンス、フライング、小道具、美術、映像などを駆使し、物語が進む。魔法に満ちたネバーランドの世界を描きながら、その奥には、成長すること、自分の進む道を自分で選び取ることなどが見えていくスタイルだ。

ウェンディを演じるのは芳根京子、ピーターパンを演じるのは渡辺翔太。初共演となる二人が、夢と危うさを併せ持つネバーランドをどう立ち上げるのかに注目したい。さらに、フック船長とミスター・ダーリングの二役を石丸幹二が演じる。ネバーランドの敵役と、現実世界の父親。その二つの役を一人が演じることにも深い意味がありそうだ。

日本版の潤色を手がけるのは、劇団「範宙遊泳」を主宰する劇作家・演出家の山本卓卓。海外戯曲の世界観を保ちながら、現代日本の観客に届く言葉へと調整していく役割を担う。ウェンディの冒険が、単なる名作ファンタジーではなく、いまを生きる観客たちの物語として響くかどうか。その手腕にも注目したい。

舞台『ウェンディ&ピーターパン』
作/エラ・ヒクソン(J.M.バリー原作より翻案)
翻訳/目黒条 髙田曜子
潤色/山本卓卓
演出/ジョナサン・マンビィ
美術・衣裳/コリン・リッチモンド

出演/芳根京子 渡辺翔太 鳥越裕貴 松岡広大 富山えり子 天野はな 玉置孝匡 池谷のぶえ 石丸幹二 ほか

<東京公演>
公演日程/2026年6月12日(金)~2026年7月5日(日)
会場/THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
チケット料金(全席指定・税込)/S席 14,000円 注釈付きS席 14,000円 A席 10,000円
※未就学児入場不可。
公演に関する問合せ/Bunkamura 03-3477-3244(10:00~18:00)
URL/https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/26_wpp/

<大阪公演>
公演日程/2026年7月13日(月)~2026年7月20日(月・祝)
会場/フェニーチェ堺 大ホール
チケット料金(全席指定・税込)/S席 14,000円 A席 12,500円 B席 9,500円
※未就学児入場不可。

Text:Reiko Nakamura

 

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2026.4.28 発売

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