
日本の伝統文化を現代の感覚で再解釈した食事やお茶を楽しめる八雲茶寮。2026年2月より、新たに「季節の精進料理」の提供がスタートした。仏教の教えに基づき、肉や魚などの動物性食材に加え、ネギや玉ねぎ、にんにくなどの五葷(ごくん)を用いないのが本来の精進料理だが、八雲茶寮では動物性食材を使わないという伝統を守りつつ、五葷が持つ香味を生かした精進料理を提案する。

この日のコースのはじまりは、北海道・折浜産の真昆布で出汁をとった精進スープ。シンプルながら奥行きのある味わいが、やさしく体に染みわたるよう。

胡麻豆腐は、季節ごとに胡麻の焙煎度合いや出汁の食材を変え、その時季ならではの味わいに仕立てられている。
続く「精進百珍」では、「七草と金柑の白和え」「金時人参のかぶら寿し」「高野豆腐とひじきの炊き合わせ」「きのこ朴葉味噌焼き」など、多彩な料理が預け鉢に盛られて供される。取り分けながらいただくスタイルで、同じ料理を囲みながら分かち合う楽しさも味わえる。他にも、松の葉の香りをまとわせた「海老芋の蒸し焼き」、「南高梅の天麩羅」、「豆腐の味噌漬け くるみ飴煮」など、一皿ごとに丁寧な仕事が感じられ、飽きることなく味わいが変化していく。これまでの精進料理のイメージが更新され、その奥深い表現に気づかされる。

数種類の野菜や乾物を細かく刻み、出汁で煮含め、とろみをつけて仕上げる餡かけ料理「雲片(うんぺん)」。この日は旬の野菜や湯葉、きのこなどがたっぷり入った、素材のやさしさを感じさせる味わい。ちなみに麩は米粉で作られたグルテンフリーのもの。ここでも、精進料理の新たな試みがさりげなく取り入れられている。

八寸には、豆腐や山芋で仕立てた「鰻もどき」が登場。鰻の皮は海苔で表現されており、見た目だけでなく、味わいや食感までも本物を思わせる仕上がりに驚かされる。表面には発酵にんにくが塗られ、軽く焦がすことで鰻のような香ばしい風味が立ち上がるという。知恵と工夫が凝らされた、遊び心も感じさせる一品だ。添えてあるのは、たたき牛蒡。

コースの締めくくりは、季節の和菓子と抹茶で静かな余韻を味わって。
伝統を踏まえながらも新しい感覚を取り入れた、八雲茶寮ならではの精進料理。新鮮な驚きや発見を感じてみてほしい。

季節の精進料理
価格/¥16,500(サービス料別途10%)
提供時間/12:00〜14:00(L.O.)
定休日/日・月
※季節の食材により料金が変わります。予約の際にお問い合わせください。
※予約日3日前以前のキャンセルおよび食材の変更不可。
※20歳未満のご利用不可。
八雲茶寮
住所/東京都目黒区八雲3丁目4−7
TEL/03-5731-1620
URL/yakumosaryo.jp/




