今週末まで! プリツカー賞受賞の建築家、磯崎新の大規模回顧会が開催中 | Numero TOKYO
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今週末まで! プリツカー賞受賞の建築家、磯崎新の大規模回顧会が開催中

会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター
会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター

2022年末に逝去した建築家・磯崎新の没後、国内初となる大規模回顧展が水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城)にて開催中。20世紀を代表する最も創造的で先駆的な建築家として知られ、2019年に建築界のノーベル賞と称されるプリツカー賞を受賞した磯崎新の軌跡を、自身が設計した水戸芸術館にて目にすることができる貴重な機会だ。本展をライターの青野尚子がレポートする。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年1・2月合併号掲載)

会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター
会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター

難解な建築家の思考を整理する

磯崎新というと謎めいたキーワードを駆使して難しいことを語る人、というイメージがあった。実際に彼の著作を読み解くのは決して容易ではない。でも大丈夫。今〈水戸芸術館〉で開かれている回顧展はイソザキって難解すぎてわからない、と思っている人のための展覧会だ。

会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター
会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター

展示は磯崎の持つさまざまな顔の中からいくつかの側面をピックアップ、半世紀以上にわたる膨大な仕事を整理してくれる。会場には彼が東京大学丹下健三研究室で関わった東京湾を横断する人工都市〈東京計画1960〉や、〈つくばセンタービル〉などの建築作品の模型が並ぶ。また彼は複数の建築家を起用して街を造る「くまもとアートポリス」、アーティストとコラボレーションした〈奈義町現代美術館〉〈ルツェルン・フェスティバル・アーク・ノヴァ〉などキュレーターとしても優れた能力を発揮している。

会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター
会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター

そして会場の〈水戸芸術館〉自体が彼の代表作だ。ここを訪れた人はエントランスホールからそれぞれ現代美術ギャラリー、コンサートホール、劇場へと向かうことになる。磯崎は建築はもちろん、古典から現代までの美術、音楽、演劇、そして歴史や哲学にも広範な知識を持っていた。彼の建築はそんな幅広い分野を横断して思考を重ねた結果、生まれたものだ。何度訪れてもその度に深読みができる、知的な建築を体感しながら楽しめる。

会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター
会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター

会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター
会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター

会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター
会場風景 写真提供:水戸芸術館現代美術センター

「磯崎新:群島としての建築」
期間/2025年11月1日(土)~2026年1月25日(日)
会場/水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所/茨城県水戸市五軒町 1-6-8
開場時間/10:00~18:00 ※入場は17:30まで 
休館日/月曜日
URL/www.arttowermito.or.jp/gallery/
※詳細は公式ウェブサイトをご確認ください。

Text:Naoko Aono Edit:Sayaka Ito

Profile

青野尚子 Naoko Aono アート、建築関係のライター。共著に『背徳の西洋美術史 名画に描かれた背徳と官能の秘密』『美術でめぐる西洋史年表』『超絶技巧の西洋美術史』(以上すべて池上英洋との共著)など。
 

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