
現代アーティストのオートモアイによる個展「開け放たれた扉の向こうに海が見える」が、東京・西麻布のTAV GALLERYにて開催。会期は、2026年1月9日(金)〜31日(土)まで。

“顔のないヒト”などのモチーフをとおして、匿名性を描き出すオートモアイ。シュプリーム(Supreme)をはじめ、ニューエラ(NEW ERA)やマウジー(MOUSSY)など、さまざまなファッションブランドに作品を提供して話題を呼び、世界的に大きく注目されている。小誌『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年12月号の「星野源」特集でも、その独自の世界観で星野源の魅力を描き出した。
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今回の個展では新作を中心に展示。人間の記憶構造に内在する不確実性と、その欠落を補完するために生成される「物語」の作用を、表象と認知の関係から検討する。

顔を欠いた身体、輪郭のみを残す存在、あるいは空間の中に配置された「不在」など、オートモアイの描く人物像は、近代的主体概念に基づく単一で一貫した自己像とは明確に一線を画す。“they”という人称が示すように、オートモアイ自身もまた、固定されたアイデンティティではなく、関係性と文脈によって可変的に立ち上がる複数的な存在として自身を位置づけている。

本展で提示されるのは、言語化可能な領域と言語化不可能な領域の間に存在する境界面そのもの。明確な結論や物語の完結を志向せず、扉が開いたままの状態——過去と現在、自己と他者、記憶と想像の間に生じる宙吊りの時間——を持続させようとする試みだ。
匿名性や不確定性と向き合う、オートモアイの絵画世界。その奥深い魅力をぜひ、堪能してみよう。
※掲載情報は1月21日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。
オートモアイ 個展「開け放たれた扉の向こうに海が見える」
会期/2026年1月9日(金)〜31日(土)
会場/TAV GALLERY
住所/東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F
開館時間/13:00〜19:00
休館日/日、月
URL/https://tavgallery.com/automoai3/
Text : Akiko Kinoshita
