高畑充希、中島健人らが、女性の未来を語りあう。ケリング「ウーマン・イン・モーション」トーク開催 |
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高畑充希、中島健人らが、女性の未来を語りあう。ケリング「ウーマン・イン・モーション」トーク開催

2025年11月2日(日)、東京国際映画祭にてケリング「ウーマン・イン・モーション」トークセッションが開催された。是枝裕和監督のオープニングスピーチに続いて、トークゲストとして高畑充希、中島健人、キャスティング・ディレクターのデブラ・ゼイン、プロデューサーの福間美由紀が登壇。

ケリング「ウーマン・イン・モーション」は、映画界においてさまざまな形で活躍する女性を称えるべく、グッチ、サンローラン、バレンシアガなどを展開するグローバル・ラグジュアリー・グループ「ケリング」が創設したプログラム。10周年を迎える今年、第38回東京国際映画祭の公式プログラムとしてトークイベントが開催された。

テーマとなったのは、来年3月に授賞式が行われるアカデミー賞®に「キャスティング賞」が新設されることを受け、キャスティングの重要性と、映画やドラマで描かれる女性像の変化、さらなる女性たちの活躍について。

『アメリカン・ビューティー』などを手がけたキャスティング・ディレクターのデブラ・ゼインは、映画の中の女性像の変化について「時代を反映していると思います。女性がリーダーを果たす役柄や女性のヒーローなどが増えてきましたし、そういう機会はどんどん増していくと思います」と変化しつつある現状を伝えた。

俳優・アーティストの中島健人も「『バービー』や『プロミシング・ヤング・ウーマン』など、女性が主体となって生き抜く力強さを描いた作品が増え、時代に順応した作品が作られているように感じます」と語った。

俳優の高畑充希は「本当の意味で、“人間”として平等に描かれている作品が観たいですよね。LGBTQの方々を描く作品も、当事者が演じるべき、という意見など色々あると思いますが…」と問いかけ、デブラ・ゼインは「良い質問ですね」と賛同しながら「私は必ずしも当事者である必要はないと思っています。フィクションなのか、ドキュメンタリーなのか、その線引きがあいまいになる場合もありますが、上手い人が演じるべきです」とキャスティング・ディレクターとしての見解を述べた。

『ベイビー・ブローカー』などの作品を手がけてきた福間美由紀は、「昔も魅力的なヒロインを描いている作品はたくさんありますが、私がプロデューサーとして参加する作品でも、女性の眼差しや価値観を物語に落とし込むことは特に意識しています。まさに、女性の生き様が描かれている『遠い山なみの光』を製作したときは、物語の中では複数の女性が登場するけれど、それが一人の女性の多面的な一面に見えるように心がけて作っていました」

そして、映像業界における女性の問題が少しずつ改善されていく中で、さらに女性が活躍するには何ができるのか、という質問に対して、福間美由紀は「2018年、フランスで映画作りを行っていた際に驚いたのが、撮影時間は8時間まで、土日は休み、というルールが定まっていたことです。カルチャーショックと言える衝撃でした。その現場には、女性や子育て中の方も多くて…。社会保障がしっかりしていることで、女性でもキャリアを続けることができるんです。日本では、生活を犠牲にせざるを得ないことがあまりに長く続いてきました。今、そんな日本でもルールが設けられるようになったりと、変わろうとしている中にいます。意識をアクションに変えていく最中です」と語った。

高畑充希は「当事者としても、転換期を迎えていると感じています。子どもができて子育てをしていく中で、『もっとこうだったらいいのに』と思うことが増えていくのかもしれません。そうなったら、我慢せずに声に出していくことで、働きやすい環境作りに貢献できたら嬉しいです」と未来への思いを語った。

中島健人も「まずは食事の時間をしっかり作るとか、ファミリーデーを設けてみるとか、少しの変化が現場を充実させていくきっかけになると思います。みんながそれに気づき始めているので、時代の真ん中にいる一人の映画人として、推奨していけたら良いなと思います」そして「時代を変えることに少しずつ尽力していきたい」と思いを伝えた。

左より 是枝裕和、高畑充希、デブラ・ゼイン、中島健人、福間美由紀
左より 是枝裕和、高畑充希、デブラ・ゼイン、中島健人、福間美由紀

映画を愛する人たちが集い、語り合う。明るい未来にむけて、変化していくことへの希望と力強いメッセージが届けられたイベントとなった。

Text:Hiromi Mikuni

 

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