内的世界の深層をたどりながら心の風景を繊細に描き出す作家・やましたあつこの個展「reflect」が、東京・南青山のvoid+にて開催。油彩作品約15点が公開となる。

「邪魔のない幸せ」を一貫したテーマに、差別や暴力のない世界を描いてきたやましたあつこ。幼少期のトラウマを原点に個人の内面と現実を往還しながら、内的世界を構築してきた。
『Numero TOKYO』2025年11月号「アートが映す装飾のゆくえ」でもフィーチャーしたアーティストだ。
(参考)やましたあつこ | Atsuko Yamashita
https://numero.jp/20251021-beyond-art-and-decor/
すべての動植物が対等にひとつの生命として描かれる、やましたの作品。草木や色彩の粒がいっぱいに広がり、動きを感じさせる構図の中に、静謐さの奥に強い光を宿すまなざしの人物や、生命力あふれる植物が印象的に佇み、“内と外”、“動と静”が交わる世界が立ち現れる。

本展では、昨年環境の変化を求めて渡ったベルリン滞在を経て制作した油彩作品約15点を紹介。曇天に覆われた街の風景に作家自身の“陰”の部分を共鳴させる経験となったという。あわせて、隣接スペース@zone;では、作品集『echo』の刊行を記念した展示も同時開催される。

ベルリンでの個展「mirror」から続く、本展「reflect」、そして作品集『echo』が内面と現実との往還をテーマに、その距離感の変化を表すように名づけられた三部作となっている。自身と世界との関係をあらためて問い直す、やましたあつこ「reflect」にぜひ注目を。

※掲載情報は11月7日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
やましたあつこ「reflect」
2025年11月5日(水)〜12月3日(水)
時間/12:00〜19:00
会場/void+
住所/東京都港区南青山3-16-14 1F
休廊/日・月
URL/www.voidplus.jp/
