ステフ・ファン展&ニッキー・マルーフ展 二つの注目個展が同時開催@ペロタン東京 | Numero TOKYO
Art / News

ステフ・ファン展&ニッキー・マルーフ展 二つの注目個展が同時開催@ペロタン東京

NIKKI MALOOF『Pink Table』(2025年) Courtesy of the artist and Perrotin.
NIKKI MALOOF『Pink Table』(2025年) Courtesy of the artist and Perrotin.

現代アーティストのステフ・ファンと、ニッキー・マルーフによる展覧会がそれぞれ開催されている。東京・六本木のペロタン東京にて、どちらも2025年10月25日(土)まで。

台湾で育ち、現在はロンドンを拠点に活動するステフ・ファン。 “A poet of materiality(物質性の詩人)”として知られるファンは、吹きガラスや金属加工、印刷などさまざまな技法を駆使し、写真や音響、映像、彫刻を組み合わせて作品を制作。遊び心あふれるそれらの作品は、日常のささやかな細部に注意を向けることによって生み出されているという。
本展では、彫刻やインスタレーションを中心に作品を展開。現在と、現在とは異なる時間や場所の記憶を重ね合わせることで、多層的な視点を提示する。そして鑑賞者は、自らの立場や状況によって移ろう作品の意味について、自主的に発見するよう促されるだろう。

STEPH HUANG「WHEN AN ENCOUNTER TAKES PLACE」展示風景より。 Photo by Osamu Sakamoto. Courtesy of the artist and Perrotin.
STEPH HUANG「WHEN AN ENCOUNTER TAKES PLACE」展示風景より。 Photo by Osamu Sakamoto. Courtesy of the artist and Perrotin.

NIKKI MALOOF『Flounder』(2024年) Courtesy of the artist and Perrotin.
NIKKI MALOOF『Flounder』(2024年) Courtesy of the artist and Perrotin.

一方、ニッキー・マルーフは、絵画を通じて表面的にとどまらない表現を追い求めてきた。ルネサンスの数学的遠近法に代わって彼女が描き出すのは“凝縮された”独自の内面的空間であり、その複雑さには東洋的な時間感覚や世界観が映し出されているという。画面上では対称性が崩れた形や色が響き合い、視覚的な緊張感と不思議な魅力を生み出しているのだ。
本展では、マルーフが初期から取り組んできた「食べ物」を題材とする作品が多く展示。魚などの身近な食材を通じて、空間や時間、始まりと終わりといった普遍的なテーマを描き出している。

注目のステフ・ファン展とニッキー・マルーフ展。どちらもどうぞ、お見逃しなく。

 

※掲載情報は9月22日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

STEPH HUANG「When An Encounter Takes Place」
NIKKI MALOOF「ASPECTS OF DAILY LIFE」

会期/2025年9月10日(水)〜10月25日(土)
会場/ペロタン東京
住所/東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
入場料/無料
時間/11:00~19:00
休館/日・月曜日
TEL/03-6721-0687
URL/www.perrotin.com

Text:Manami Abe

 

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2026 N°193

2025.11.28 発売

The New Me

あたらしい私へ

オンライン書店で購入する