国際的なアーティスト・笹本晃の20年を振り返る“実験室”を体験 @東京都現代美術館 | Numero TOKYO
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国際的なアーティスト・笹本晃の20年を振り返る“実験室”を体験 @東京都現代美術館

 

笹本晃『Strange Attractors』(2010年) 個展(Take Ninagawa、東京)での展示風景 個人蔵 撮影:岡野圭 ©︎Aki Sasamoto. Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo
笹本晃『Strange Attractors』(2010年) 個展(Take Ninagawa、東京)での展示風景 個人蔵 撮影:岡野圭 ©︎Aki Sasamoto. Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo

アーティスト・笹本晃の約20年の活動を見渡す個展「笹本晃 ラボラトリー」が開催中。東京・清澄白河の東京都現代美術館にて、2025年11月24日(月・振休)まで。

現代アーティストの笹本晃(ささもと・あき)は、ニューヨークを拠点に、パフォーマンスやダンス、インスタレーション、映像など、さまざまなメディアを横断した活動を続けてきた。とりわけ、自身で設計した彫刻や装置で空間を構成し、自身もその一部となる即興的なパフォーマンスで知られている。近年は、イェール大学芸術大学院彫刻専攻で教鞭を取るほか、2023年には彫刻家アレクサンダー・カルダーのレガシーを継承するアーティストに贈られる「カルダー賞」を受賞するなど、国際的な評価を確かなものにしてきた。

笹本晃『Cooking Show』(2005年) ©︎Aki Sasamoto. Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo
笹本晃『Cooking Show』(2005年) ©︎Aki Sasamoto. Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo

本展は、そんな笹本の約20年にわたる活動を総覧するもの。初期のパフォーマンスやインスタレーションの代表作から、キネティック(動的)な要素が強まる近年の作品までを網羅的に紹介する試みだ。
見どころは、インスタレーション空間のなかで複数回行われる即興的パフォーマンスで、『Strange Attractors』(2010年、ホイットニー・ビエンナーレ)、『Skewed Lies』(2010年、MoMA PS1)、弘前れんが倉庫美術館のコミッションによる『スピリッツの3乗』のほか、昨年香港で発表された『Sounding Lines』を軸にして本展のための新作を組み合わせた、新旧の4作品が一堂に会する。

笹本晃『Delicate Cycle』(2016年) 第9回恵比寿映像祭「マルチプルな未来」2017でのパフォーマンス風景 撮影:新井孝明 図版提供:東京都写真美術館 ©︎Aki Sasamoto. Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo
笹本晃『Delicate Cycle』(2016年) 第9回恵比寿映像祭「マルチプルな未来」2017でのパフォーマンス風景 撮影:新井孝明 図版提供:東京都写真美術館 ©︎Aki Sasamoto. Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo

また、本展会期中、同館では大規模展「開館30周年記念展 日常のコレオ」も開催されている。アジアを中心とした15を超える国と地域を拠点に活動するアーティストら約30組の活動を紹介。現代アートを通じてこれからの社会を多角的に考える場づくりを目指す同展では、作品展示だけでなく来場者が参加し対話できるパフォーマンスやワークショップを多数展開する。

どちらもぜひお見逃しなく。

※掲載情報は9月6日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

笹本晃 ラボラトリー
会期/2025年8月23日(土)~11月24日(月・振休)
会場/東京都現代美術館 企画展示室 3F
住所/東京都江東区三好 4-1-1
料金/一般 1500円、大学生・専門学校生・65歳以上 1000円、中高生 600円、小学生以下 無料
時間/10:00〜18:00(8・9月の毎金曜日は、21:00まで開館。展示室入場は閉館の30分前まで)
休館/月曜日(9月15日、10月13日、11月3日、24日は開館)、9月16日、10月14日、11月4日
URL/www.mot-art-museum.jp/exhibitions/Aki_Sasamoto/

Text:Manami Abe

 

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