クレス・オルデンバーグの大規模個展が東京へ@Pace ギャラリー | Numero TOKYO
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クレス・オルデンバーグの大規模個展が東京へ@Pace ギャラリー

アメリカ人アーティスト、クレス・オルデンバーグの展覧会「いろいろ」が、東京・麻布台のPace ギャラリーにて開催中だ。1960 年代から2000年代半ばにかけてオルデンバーグが制作したシリーズ作品の中から、彫刻と版画を紹介する回顧展だ。

クレス・オルデンバーグは、1964年にPaceで初の個展を開催し、以来60年以上にわたって彫刻、ドローイング、巨大な公共モニュメントなど、日用品を唯一無二の存在へと転換させる実践を通して、アートの歴史を再定義し続けたポップ・アートの第一人者。1950 年代後半から1960年代初頭のニューヨークで頭角を現し、ロウアー・イースト・サイドでは「ハプニング」と呼ばれる、インスタレーションやパフォーマンス、その他のメディウムを取り入れたハイブリッドな芸術様式を他のアーティストたちと共に展開してきた。

本展では、オルデンバーグの芸術における多様性と複製性、そしてイメージの変化に対する深い関心に光を当てる。
まずは、塗装した段ボールで制作した『N.Y.C. Pretzel』のマルチプル作品約 60点が、ギャラリースペースの入口付近に設置された自動販売機型のショーケースにて公開。マルチプル作品のモチーフはいずれも、私たちが日々目にする食べ物からミッキーマウスのようなポップカルチャーのアイコンまであり、オルデンバーグが日常に着想を得て制作をしていた様子が見てとれるだろう。

また大型の彫刻作品では、アルミニウム、プラスチックチューブ、キャンバス、フェルト、フォームで制作された『Tied Trumpet』を紹介。キャンバスにシルクスクリーン印刷を施して縫製された9つのパーツからなる『Miniature Soft Drum Set』も公開された。またアルミニウムとマホガニー材で作られた『Knife Ship 1:12』は中でも注目したい作品だ。1985年にヴァン・ブリュッゲンとともにヴェネツィアで行った伝説的なパフォーマンス『Il Corso del Coltello』の一環として発表された巨大な作品を、1/12のスケールで再編成した作品だ。そのほかにもシリーズ版画など多数公開される。

東京での展示は1996年以来の大規模な回顧展となった今回。類まれな才能、そしてありふれたものに魔法と驚きを吹き込んでしまうオルデンバーグの魅力を存分に堪能できる機会となった。8月23日(土)まで。

※掲載情報は8月13日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

クレス・オルデンバーグ「いろいろ」
会期/2025年7月17日(木)〜8月23日(土)
会場/Pace ギャラリー
住所/東京都港区⻁ノ門 5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザ A 1-2階
時間/11:00〜20:00(日は18:00〜20:00、それ以外は19:00〜20:00でアポイントメント制)
休廊/月曜
URL/www.pacegallery.com/

Text:Akane Naniwa

 

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