音楽劇『ハムレット』で片岡千之助が新たなハムレット像を創出 | Numero TOKYO
Culture / Post

音楽劇『ハムレット』で片岡千之助が新たなハムレット像を創出

『ハムレット』は、シェイクスピア作品の中でも上演回数が多く、ファンの多い演目だ。現代劇の俳優は言うに及ばず、昔から、歌舞伎俳優や狂言師など伝統芸能の演者たちも多くチャレンジしてきた。

歌うような韻律、言葉遊びのようなセリフ回しといったものが、様式美を追求してきた歌舞伎俳優や狂言師たちに通じるものがあるのかもしれない。

今回、ルネサンス音楽劇『ハムレット』で新たなハムレット像に挑戦するのは、片岡千之助。歌舞伎の名門片岡仁左衛門家に生まれ、藤沢周平原作の映画『橋ものがたり 約束』で主演するなど、歌舞伎以外にも活動の幅を広げている。

特に昨年の大河ドラマ『光る君へ』の敦康親王役では、上品で繊細な中にも愁いを帯びた佇まいで信憑性のある親王を演じ、話題となった。

Ⓒ前田晃
Ⓒ前田晃

また、国際的な活動に積極的なのも片岡千之助の特徴と言えるだろう。2017年にはペニンシュラ・パリ、2024年にはニューヨークのグランド・セントラルステーションで歌舞伎舞踊を披露。世界的写真家マリオテスティーノの被写体にも抜擢され、2020年にはカルティエの「パシャ ドゥ カルティエ」コレクションのグローバル・キャンペーンに起用されるなど、日本の伝統芸能を世界に発信する役割を担っている。

現在は、青山学院大学文学部比較芸術学科での学びと並行しながら、伝統と現代、日本と世界、そして古典と革新といった視点から伝統芸能の新たな可能性を模索。新しい時代の表現者としての道を追求している。

『ハムレット』は、上方歌舞伎を代表する歌舞伎俳優である祖父・片岡仁左衛門も演じたことがある作品。今回の白いシャツを着たハムレットがモノクロの画面に浮かび上がる幻想的なポスターは、祖父の『ハムレット』を彷彿とさせるものだ。

片岡仁左衛門は、端正な容姿と役の心情を細やかに表現する演技で人気を博す人気俳優。現在も様々な役で教えを乞う俳優が絶えない。仁左衛門が後輩俳優たちにアドバイスするシーンでは、「まず、心があってから動く」と厳しく口にするのを多く目にする。

激しさと繊細さ、対照的などちらの性格も持つハムレットと千之助の心が響き合うのを楽しみに、開演を待ちたい。

舞台 ルネサンス音楽劇『ハムレット』
作/ウィリアム・シェイクスピア
演出/彌勒忠史

<東京公演>
日程/2025年9月3日(水)~9日(火)
会場/新国立劇場 小劇場

<京都公演>
日程/2025年9月13日(土)~15日(月祝)
会場/先斗町歌舞練場

キャスト/片岡千之助 花乃まりあ 高田翔 山本一慶 朝月希和 福井晶一
チケット料金/S席 10,000円 A席 8,000円(全席指定)
チケット一般前売り発売/2025年6月30日
お問い合わせ/アーティストジャパン 03-6820-3500
URL/https://artistjapan.co.jp/

Text:Reiko Nakamura

 

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2026 N°193

2025.11.28 発売

The New Me

あたらしい私へ

オンライン書店で購入する