マンボウ・キーによる日本初個展開催。 AAA與真司郎、Usak、オードリー・タンの肖像も | Numero TOKYO
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マンボウ・キーによる日本初個展開催。 AAA與真司郎、Usak、オードリー・タンの肖像も

台湾生まれの写真家であり現代アーティスト、マンボウ・キーによる日本初の大規模個展が開催。東京・渋谷のPARCO MUSEUM TOKYOにて、2025年5月30日(金)〜6月9日(月)まで。

写真や映像、インスタレーションを通じて、クィアカルチャーへのまなざしを軸に制作を続けてきたアーティストのマンボウ・キー。彼の創作の原点にある父親秘蔵のビデオテープには、旅行の記録のほか父親の性を記録したまさかの映像が残されていた。それらは、思春期の彼にとって自身のアイデンティティを探究する大きなきっかけとなり、やがて作品『Father’s Videotapes』として結実。今や彼は、さまざまなアイデンティティの人々が集う台湾社会を象徴する存在として広く知られている。

日本初の大規模個展となる本展「Home Pleasure|居家娛樂」では、代表作『Father’s Videotapes』をはじめ、ファッションフォトグラファーとして雑誌に提供した作品や、日本統治時代に台湾で生まれ育った客家系民族の祖母をモチーフにした作品なども展示される。

なかでも注目を集めているのが、與真司郎、Usak、オードリー・タンの3人を被写体とした新作群だ。パフォーマンスグループ「AAA」メンバーの與は、セクシュアリティのカミングアウトについて綴ったエッセイを今年刊行したばかり。また、Usakは、NETFLIXのリアリティ番組『THE BOYFRIEND』への出演で世界的に話題に。そして、タンは、台湾のデジタル担当大臣として、革新的な社会変革をリードし続けてきた。これら3人は、キーの世界に招き入れられたことで、それぞれの新たな一面をそっと浮かび上がらせている。

なお、本展のキュレーションを手がけるのは、キーが敬愛する東京都現代美術館の学芸員・藪前知子。家族やジェンダー、セクシュアリティ、クィアアイデンティティといった、個人的でありながら社会的でもあるテーマを一貫して探求する姿勢がうかがえる。

開催期間中はイベントも多数。こちらもぜひ、お見逃しなく。

※掲載情報は5月29日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「Home Pleasure|居家娛樂」MANBO KEY SOLO EXHIBITION
会期/2025年5月30日(金)〜6月9日(月)
会場/PARCO MUSEUM TOKYO
住所/東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 4F
料金/無料
時間/11:00〜21:00(最終日は18:00閉場、入場は閉場の30分前まで)
休廊/PARCO MUSEUM TOKYOの営業に準ずる
URL/art.parco.jp/
※本展覧会は、ヌードを含む表現があります

Text:Manami Abe

 

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