幻想的な女性が佇む、ジャン・コールの新作個展がNANZUKA UNDERGROUNDで開催 | Numero TOKYO
Art / News

幻想的な女性が佇む、ジャン・コールの新作個展がNANZUKA UNDERGROUNDで開催

ジャン・コール 『Fade Out Highway』 (2025年) © Jang Koal Courtesy of NANZUKA
ジャン・コール 『Fade Out Highway』 (2025年) © Jang Koal Courtesy of NANZUKA

韓国のアーティスト、ジャン・コールによる個展「Solitary Inn」が、東京・原宿のNANZUKA UNDERGROUNDにて開催。会期は、2025年5月16日(金) 〜6月21日(土)まで。

ジャン・コール 『Soft Sea Urchin』 (2024年) © Jang Koal Courtesy of NANZUKA
ジャン・コール 『Soft Sea Urchin』 (2024年) © Jang Koal Courtesy of NANZUKA

ソウルを拠点に活動するアーティスト、ジャン・コール。彼女は、桑を原料とした韓国の伝統的な手漉き紙「韓紙(ハンジ)」に描かれる現代的な女性の肖像で知られ、伝統と現代性の入り混じる作品世界を創り上げている。

「Solitary Inn (孤独の宿)」と名づけられた本展は、過去の記憶や内面世界に静かに浸る、孤独でありながらもどこか安らぎを覚える瞬間のために用意された“架空の宿(Inn)”をテーマに展開。例えば、車の後部座席、木漏れ日、水槽といった作中に現れる「部屋」は、いずれも闇と神秘、恐れ、そして密やかなときめきに満ちた私的な場所として描かれている。それらは、過去の記憶を思わせる光で色づくと同時に、神秘性をもたたえた空間だ。

ジャン・コール 『Sweet Cell』 (2025年) © Jang Koal Courtesy of NANZUKA
ジャン・コール 『Sweet Cell』 (2025年) © Jang Koal Courtesy of NANZUKA

ジャン・コールはソウルのアトリエにある窓を、自身の感情を投影するキャンバスとして捉えているという。街のレンガや電線、生い茂る草木の間をすり抜ける孤独や寂しさ、そして時折差しこむ希望の光……制作の合間に見える景色に、自身の揺れ動く心が映し出されているかのようだと語る。それらの心に染み込んだ痕跡が、意識の奥に沈んだ記憶とともに、韓紙という「鏡」の上にそっと描き出されていく。

ジャン・コール 『The watcher』 (2025年) © Jang Koal Courtesy of NANZUKA
ジャン・コール 『The watcher』 (2025年) © Jang Koal Courtesy of NANZUKA

本展では、新作ペインティング15点を展示。どうぞご注目を。

※掲載情報は5月24日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

「Solitary Inn」
会期/2025年5月16日(金) 〜6月21日(土)
会場/NANZUKA UNDERGROUND
住所/東京都渋谷区神宮前3-30-10
開館時間/11:00〜19:00
休館日/日、月
URL/https://nanzuka.com/ja/exhibitions/jang-koal-solitary-inn/press-release

Text : Akiko Kinoshita

 

Magazine

JANUARY / FEBRUARY 2026 N°193

2025.11.28 発売

The New Me

あたらしい私へ

オンライン書店で購入する