和歌の連歌に着想を得た 横尾忠則の新作展「連画の河」 @世田谷美術館 | Numero TOKYO
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和歌の連歌に着想を得た 横尾忠則の新作展「連画の河」 @世田谷美術館

横尾忠則『ボッスの壺』(2024年)作家蔵
横尾忠則『ボッスの壺』(2024年)作家蔵

常に現在を更新する現代アーティスト、横尾忠則の“今”を紹介する最新展「横尾忠則 連画の河」が開催。東京・用賀の世田谷美術館にて、2025年6月22日(日)まで。

 

80代後半にしてますます精力的に創作に取り組み、新たなシリーズを生み出しているアーティスト・横尾忠則(※1)。そんな横尾が近年野心的に取り組んでいる「連画」を中心に、150号の新作油彩画約60点にスケッチなどを紹介する新作展が現在開催されている。

(※1)参考記事:Numero.jp「横尾忠則の現在地をたどる大回顧展が開幕」

横尾忠則『連画の河、タヒチに』(2024年)作家蔵
横尾忠則『連画の河、タヒチに』(2024年)作家蔵

本展の中心となるシリーズ「連画」は、平安時代中期に流行した詩の形式「連歌」から着想を得たもの。和歌の上の句と下の句を複数人で詠み交わす「連歌」のように、前日に描いた作品を他人の絵のように見つめ、そこから自然に導かれるままに筆を動かしていくという試み。ふるさとの川辺で同級生とともに撮影された一枚の記念写真から喚起された、さまざまなイメージが画面上に浮かんでは消える。

横尾忠則『The End of Life Is Moral』(2024年)作家蔵
横尾忠則『The End of Life Is Moral』(2024年)作家蔵

なお、銀座のグッチ銀座 ギャラリーでは、「横尾忠則 未完の自画像 − 私への旅」展が開催中(※2)。旅をテーマにした作品に加え、自画像や家族の肖像といった初公開の最新作などが展示されるほか、屋上スペースでは、1970年の大阪万博(日本万国博覧会)でも話題となった、未完のイメージを再構成した足場のインスタレーションも展開。こちらは、8月24日(日)まで開催を予定している。

横尾忠則の今を見つめる二つの展覧会。ぜひお見逃しなく。

(※2)参考記事:Numero.jp「グッチ銀座 ギャラリー(東京)にて、横尾忠則展開催中」

 

※掲載情報は5月3日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

横尾忠則 連画の河
会期/2025年4月26日(土)~6月22日(日)
会場/世田谷美術館
住所/東京都世田谷区砧公園1-2
料金/一般 1400円、大高生 800円、中小生 500円
時間/10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館/月曜日(5月5日は開館、5月7日は休館)
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00223

Text:Manami Abe

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