東京・六本木のシュウゴアーツにて、イケムラレイコ、小林正人、髙畠依子、戸谷成雄にゲストアーティスト・安永正臣を迎えたグループショー「手法は語る」が開催中だ。

アーティストたちが素材の特性や制作手法に対する独自のこだわりを持ち、それによって作品がどのように個性的な表現を実現しているかに焦点を当てた展覧会「手法は語る」。各アーティストが獲得した独自の手法が、彼らの多様なオリジナリティにどのように寄与しているかを示す試みだ。

本展には5名のアーティストが参加。
独特の質感から放たれる形と色彩によって人物、植物、地平線などが融合したイメージをつくり出し、人と自然、そして宇宙との流動的な関係を宿すようであるイケムラレイコ。カンヴァスの布地を片手で支えながら擦り込むようにして色を乗せ、同時に木枠に張りながら絵画を立ち上げていくという独自の手法を編み出し、そうした状況でしか生まれ得ない絵画を生み出す小林正人。素材の物質的な現象を通して、絵画を平面的な捉え方から拡張させ、物理的な構造を持つ存在へと展開してきた髙畠依子。一貫して人間の存在認識に通じる彫刻の原理とその構造を追求し、作品制作による実践によってその本質と可能性を提示し続けてきた戸谷成雄。また、ゲストアーティストとして、長石、ガラス、金属粉などを独自に組み合わせた原料を用い、粘度の高い釉薬で器をつくり焼成するという手法を編み出す安永正臣が参加する。

素材と手法に注目する本展。新たな美術史的視点や芸術的なインスピレーションが得られる機会となりそうだ。
※掲載情報は3月5日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「手法は語る」展
イケムラレイコ、小林正人、髙畠依子、戸谷成雄
ゲストアーティスト:安永正臣
会期/2025年2月22日(土)〜4月5日(土)
会場/シュウゴアーツ
開廊時間/11:00〜18:00
休廊/日・月曜、祝日
協力/Nonaka-Hill
URL/shugoarts.com/
Text:Akane Naniwa