二面性の揺らぎを探求するアーティスト ザドック・ベン=デイヴィッド展 @GYRE GALLERY
Art / News

二面性の揺らぎを探求するアーティスト ザドック・ベン=デイヴィッド展 @GYRE GALLERY

展示風景より。
展示風景より。

詩的で幻想的な彫刻やインスタレーション、パブリック・アート作品を手がける現代アーティスト、ザドック・ベン=デイヴィッドの個展「セカンド・ネイチャー – Second Nature -」が開催中。東京・表参道のGYRE GALLERYにて、2026年4月19日(日)まで。

 

イギリス・ロンドンとポルトガルを拠点に活動する現代アーティスト、ザドック・ベン=デイヴィッド。主に金属を素材とし、繊細なミニチュアから大規模なインスタレーションまで手がけてきた。植物や昆虫、動物など自然界のモチーフを通して人間の心理やあり方を象徴的に表現。自然の一部であることを忘れ、制御や搾取を重ねてきた歴史と、その先にある気候危機にも目を向けている。

本展の大きな見どころは、先入観や価値判断を揺さぶる大型インスタレーションだ。色鮮やかな蝶の群れの作品『The Other Side of Midnight』では、作品の裏側に回ると害虫や甲虫と直面することになり、美しさの背後に潜む不快さや恐れと対峙させられる。どちらも同じ羽のある虫を用いることで、人が他者に見せる姿や、互いの表面しか見ていないことへの疑問を投げかける。
また、『Blackfield』は、荒廃した草原を思わせる黒い花々の裏側に、生き生きとした色彩が現れ、悲しみと希望、絶望と再生が表裏一体であることを感じさせてくれる作品だ。

展示風景より。
展示風景より。

展示風景より。
展示風景より。

一方で、19世紀以降の科学的理論の発展を振り返る『Evolution and Theory』では、進化論や人類の起源をめぐる思索の歴史をたどりながら、科学が世界を理解しようとしてきた過程に着目。実験や観察を通じて可視化されてきた科学のあり方と、見えにくいかたちで現代社会に浸透するテクノロジーとの隔たりが印象的に浮かび上がってくる。

異なる時期に制作された作品が同じ空間に集うことで、アーティストの思考の軌跡、繰り返される主題が鮮明になる本展。ぜひ、お見逃しなく。

 

※掲載情報は2月21日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

セカンド・ネイチャー – Second Nature –
会期/2026年2月14日(土)〜4月19日(日)
会場/GYRE GALLERY
住所/東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
料金/無料
時間/10:00〜20:00
休廊/2月16日(月)
TEL/0570-05-6990(ナビダイヤル/11:00〜18:00)
URL/gyre-omotesando.com/artandgallery/zadok/

Text:Manami Abe

 

Magazine

MARCH 2026 N°194

2026.1.28 発売

New Creatives

新時代のクリエイション

オンライン書店で購入する