2003年に映画として公開された『グッバイ、レーニン!』は、冷戦時代をシニカルにとらえた大ヒットドイツ映画。国内外の映画賞を数多く受賞、ゴールデングローブ賞の外国語映画賞にもノミネートされた。
東西ドイツ統一から三十数年後の2021年、映画の脚本を手掛けたベルント・リヒテンベルク自身が舞台化したのが今作だ。
舞台は東西冷戦の終わりが近づくドイツ。東ドイツの首都ベルリンに住むアレックスは、東ドイツ建国40周年記念日である1989年10月7日の夜、家族に内緒で反体制デモに参加、警察ともみ合っているところを母親に目撃されてしまう。そのショックで昏睡状態に陥った母。しかし、ある日突然目を覚ました母に、アレックスはある嘘をつく…。
映画が公開された2003年は1990年のドイツ統一からまだ十数年という時期。正直、44年続いた冷戦の余韻が冷め切っておらず、この作品の公開は壮大なブラックジョークに感じたものだ。しかし、昭和100年というワードがもてはやされる今年、この作品を観るとどのような気持ちになるのか。作品自体への興味と共に、この時代にこの作品を舞台化することへの強い好奇心が湧いてくる。もちろん、舞台化ならではの仕掛けも施されているという。
本作の演出を手掛けるのは、これまで多くの作品で“歴史と分断”を描いてきた上村聡史。2024年に演出した『白衛軍』が読売演劇大賞で優秀作品賞に選ばれるなど、今、最も注目される演出家の一人で2026年9月より新国立劇場演劇部門芸術監督に就任を予定している。主人公アレックスを演じるのは、相葉雅紀。ドラマや映画、舞台と幅広い活躍を見せている。その他のキャストも、堀内敬子、トリンドル玲奈、浅利陽介、西尾まり、山崎一など、実力派の俳優が顔を揃えた。
今作が初演された2021年と2025年でも世界は大きく変わった。だが、そうした中にあっても、いつの時代にも変わらない人間の気持ちを確認できる作品だ。
舞台:パルコ・プロデュース 2025 『グッバイ、レーニン!』
原作/ヴォルフガング・ベッカー/ベルント・リヒテンベルクによる同名映画
脚本/ベルント・リヒテンベルク
演出/上村聡史
出演/相葉雅紀 堀内敬子 トリンドル玲奈 浅利陽介 松岡依都美 後藤剛範
福本伸一 櫻井章喜 佐川和正 今國雅彦
石井舜 塩田宙 豊本燦汰 鳴海竜明
西尾まり 山崎一
制作協力/サンライズプロモーション東京
企画・製作/株式会社パルコ
公式サイト/https://stage.parco.jp/program/goodbye-lenin
<東京公演>
日程/2025年3月9日(日)~3月31日(月)
会場/PARCO 劇場
チケット料金/12,000 円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
チケット取扱い/
イープラス https://eplus.jp/goodbye-lenin/
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ローソンチケット https://l-tike.com/goodbye-lenin/
お問い合わせ/パルコステージ 03-3477-5858
公式URL/https://stage.parco.jp/
<福岡公演>
日程/2025年4月5日(土)~4月7日(月)
会場/キャナルシティ劇場
チケット料金/12,000 円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
主催/サンライズプロモーション東京
お問合せ/サンライズインフォメーション 0570-00-3337(平日 12:00~15:00)
<大阪公演>
日程/ 2025年4月11日(金)~15日(火)
会場/森ノ宮ピロティホール
チケット料金/12,000 円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
一般発売日/2025年3月9日(日) AM10:00~
主催/サンライズプロモーション大阪
お問合せ/キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00~18:00/日祝休業)