休館前、この地で最後のコレクション展 「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」
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休館前、この地で最後のコレクション展 「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」

撮影:渡邉修
撮影:渡邉修

2025年2月8日(土)より3月31日(月)まで「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」が開催される。

千葉県佐倉市にある「DIC川村記念美術館」は、2025年1月下旬より休館を予定していたが(※)延期されて4月1日からの休館となった。その後は規模を縮小し、都内へ移転する方針を発表している。

広大な庭園、収蔵する作品に合わせて作られた展示室、館内を巡りながら感じる光や季節の移ろい。作品と建築と自然が調和する唯一無二の場所、移転を惜しむ声は多い。春へと向かう約2ヶ月、この場所で作品と出会える最後の展示となる。

(※)参考記事 Numero.jp「休館が惜しまれるDIC川村記念美術館で『西川勝人 静寂の響き』展開催」 

102室 レンブラント・ファン・レイン 撮影:渡邉修
102室 レンブラント・ファン・レイン 撮影:渡邉修

200室 撮影:高橋マナミ
200室 撮影:高橋マナミ

1990年、千葉県佐倉市に開館したDIC川村記念美術館は、開館当初より「作品、建築、自然」の調和を大切にしてきた。約3万坪の広大な敷地にあり、鳥たちが集う池、樹木や草花など、豊かな自然に囲まれて美術館がある。

ムーア彫刻と広場 撮影:高橋マナミ
ムーア彫刻と広場 撮影:高橋マナミ

館内には、作品に合わせて設計された意匠の異なる11の展示室があり、レンブラントの肖像画だけが掛けられた小さな展示室や、マーク・ロスコの大型作品に包みこまれるようなロスコ・ルーム、モネやシャガールは居間のように暖かみのある空間に展示され、ほかにもシュルレアリスム、ミニマリズム、日本の現代作品など、幅広いコレクションが展示されている。

ロスコ・ルームへと続く廊下 撮影:高橋マナミ
ロスコ・ルームへと続く廊下 撮影:高橋マナミ

本展では、この11の展示室のほか、庭園の野外彫刻、館内全ての展示室において、コレクションから過去最多となる約180点の作品が展示される。

101室 印象派からエコール・ド・パリへ
101室 印象派からエコール・ド・パリへ

美術館への道のり、光や風や植物の揺らぎ。森や庭園を歩きながら、心がゆっくりと開いていく。ここでしか体感できない、作品との時間を楽しんでほしい。春に向けて梅や桜の花芽が膨らむ季節、ぜひこの地でのDIC川村記念美術館を心に留めて。

木漏れ日が差す廊下 撮影:高橋マナミ
木漏れ日が差す廊下 撮影:高橋マナミ

DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然
期間/2025年2月8日(土)〜3月31日(月)
会場/DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市坂戸631)
開館時間/9:30〜17:00 (入館は16:30まで)
休館日/月曜(ただし2月24日、3月31日は開館)、2月25日(火)
入館料/一般1,800円、学生・65歳以上1,600円、高校生以下無料
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/kawamura-museum.dic.co.jp

Text:Hiromi Mikuni

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