英演劇界を代表する劇作家の作品をダブルビルで上演!『ポルノグラフィ/レイジ』 | Numero TOKYO
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英演劇界を代表する劇作家の作品をダブルビルで上演!『ポルノグラフィ/レイジ』

サイモン・スティーヴンスは、イギリスを代表する劇作家の一人。小説『夜中に犬に起こった奇妙な事件』を舞台化した際にはローレンス・オリヴィエ賞とトニー賞を受賞するなど、その執筆力が高く評価されている。

そのサイモン・スティーヴンスの作品が、同じ演出家、出演者により2作同時に上演される。

演出家の桐山知也が、2021年にKAAT神奈川芸術劇場でリーディング公演として上演、大好評を博した『ポルノグラフィ』を新たな演出で『レイジ』と共に東京・世田谷のシアタートラムで上演する。

出演は、舞台『タージマハルの衛兵』、『ガラスの動物園』で第 54 回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞し、世田谷パブリックシアターでも『岸 リトラル』、『森 フォレ』で鮮烈な印象を残している亀田佳明、映画、舞台、テレビで数多くの作品に出演し続けている竹下景子、蜷川幸雄主宰のさいたまネクスト・シアター第一期生として初舞台を踏み、多くの舞台作品で存在感を放つ土井ケイトなど、注目の俳優が集合した。

『ポルノグラフィ』は、五輪開催決定に沸くロンドンを舞台に、2005年7月に発生した地下鉄・バス連続爆破テロ事件を題材に書かれた作品だ。被害者やその周辺の人々・実行犯とさまざまな人々の日常生活を7つのオムニバス形式で描き出す。

『レイジ』は2016年にハンブルクで初演された作品。2015年から16年へと移り変わるイギリスの都市の混沌とした大晦日の模様を捉えた、ジョエル・グッドマン撮影の写真から想を得た群像劇となっている。大晦日というボーダーを境に、人々の饗宴が狂気へと変わっていく様を描いていく。

2つの作品を通して、舞台に引かれる黄色いライン。その線は、生と死を分けたり、規制線となったり、この世界を日常と非日常に分けていく。

果たして自分はどちらの側にいるのか。そして、本当に自分は自分がいると思っている側に身を置いているのか。骨太な劇作家の作品を通して、自分にとってのボーダーを見つめなおしてみるのも興味深い体験になりそうだ。

舞台 サイモン・スティーヴンス ダブルビル 『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』

作/サイモン・スティーヴンス
演出/桐山知也

出演/亀田佳明 土井ケイト 岡本玲 sara 田中亨
古谷陸 加茂智里 森永友基 斉藤淳 吉見一豊 竹下景子

公演日程/2025年2月15日(土)~3月2日(日) 
会場/シアタートラム
チケット料金/一般8,000円 高校生以下4,000円
問い合わせ/世田谷パブリックシアターチケットセンター
03-5432-1515(営業時間:10:00~19:00)
URL/https://setagaya-pt.jp/stage/16041/

Text: Reiko Nakamura

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