COS青山店リニューアルオープン!アイリス・イッセンのアートが店内を飾る | Numero TOKYO
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COS青山店リニューアルオープン!アイリス・イッセンのアートが店内を飾るPROMOTION

ロンドンを拠点とするブランド「COS」の青山旗艦店がオープン10周年を迎え、リニューアルオープンした。店内には東京生まれロンドン育ちのアーティスト、アイリス・イッセンが手がけたアートが展示されている。コラボレーションするにいたった経緯などを聞いた。

──まずはきっかけについて教えてください。

「ファッションブランドとのお仕事は初めてなのですが、COSのPRの方が私の作品を知ってくださっていたんです。いつも自分は花びらに人間のボディを投影させ、その美しさについて、人が自然とどう関係していくかを題材にアートを制作しています。ファッションも美意識や人のボディに関わっているので、素晴らしい機会と思いお受けしました」

──COS青山店の作品はどのようなコンセプトで作られたのですか?

「モノクロームのカラーパレットを使い、シンプルなラインとシェイプで花びらを描きながら、脱構築的な人体を描いています。COSもまたモダン建築を彷彿させるジオメトリックなラインが特徴で、シンプリシティやミニマリズムは私の描く作品とも共通する部分があると思います。

今回は東京の家から見える風景や、父と旅した旅館の窓から見えた夜桜の景色などをモチーフに制作しました。絵の具はいつもできるだけ自然のものを使いたいと思っていて、日本の土や砕いた岩、焼いた動物の骨などをミックスして自分で作りました。COSはローカルのクラフトマンシップを支援していますが、私もせっかく日本にいるので地元の材料を使いたいと考えました」

──アートの道を目指したきっかけは?

「父が書道家で、子供の頃から書道に親しんでいました。初めてシンガポールを訪れたとき、書道をアートに取り入れながら制作している篠田桃紅の展覧会を見て感動し、自分も少しずつ制作を始めました。大学では哲学を専攻していたのですが、自分のスーパーバイザーをしてくれていた先生にポートフォリオを見せたとき、アートの道へ進んだ方がいい、と背中を押してくれて。それまでは普通に大学を卒業して就職して、という道を歩むと思っていたのですが、違う道もある、というドアを開けていただきました」

──東京大学で特任助教授として教鞭も執られている、とうかがいました。

「はい。自分は飽きっぽい性格で(笑)。何かをクリエートするとき、ダイバーシティが必要なんです、メンタルを保つためにも。

大学では『ジェンダーとボディ』という授業を受け持っていて、学生には人間がクリエートしたさまざまな作品を見せて考察してもらっています。ボディの表現の仕方も男性が作ったもの、女性が作ったもの、など多様性があり、美という概念が時代とともに変化し、ヒューマンメイドなコンセプトであることがわかります。

歴史上、ファインアートの世界ではずっと女性のボディが描かれてきましたが、例えば私の作品は胡蝶蘭の花びらのようにも、女性の身体の一部のようにも見える。花は純粋に美しいものだけれど、実は植物においては生殖器官でもある。女性のボディはセンシュアルに見られることが多いけれど、そのレッテルを全て取り去ったとしたら、花と同様な見方ができるのかどうか」

 

──大学で研究されていることとアート制作は影響を与え合っていますか?

「全く違う世界がどうやって出会うのかに興味があります。いつもいろんなことを考えているのでオフタイムはありません。自分はずっと東洋哲学に興味を持ってきましたが、四時五行に基づく4種類のシェードを使ってアートを制作しています。ルージュ、ブラック、ベージュ、そしてそれらを全部ミックスするとできるグレーの4つです。

普通は女性の身体を描写すると官能的になるはずだけれど、私の作品はそうは見えない。でも、コンセプトを知ってから見ると、インティメートでセンシュアルにも見えてくる。そうした矛盾があるところも私のアートの特徴かもしれません。これからもふたつの道を同時に歩いていきたい、と思っています」

COS 青山店
住所/東京都港区南青山4丁目21-26
TEL/03-5413-7121
営業時間/11:00〜20:00

Interview & Text : Akiko Ichikawa Edit:Michie Mito

Profile

アイリス・イッセンIris Issen 東京生まれ、ロンドン育ち。現在は2つの都市を行き来しながらアートを制作。東洋宇宙生成論を中心にブリティッシュモダニズムの精神を取り入れた作品で定評がある。東京大学国際高等研究所では特任助教授として教鞭も執る。 https://www.irisissen.com

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