オスカー・ワイルドを題材にした、韓国発のミュージカル『ワイルド・グレイ』日本初演
19世紀末に活躍したアイルランド生まれの作家、オスカー・ワイルドは『幸福な王子』『サロメ』など、さまざまな著作を残している。
耽美的、退廃的、背徳的とさまざまな評価を受けるオスカー・ワイルド作品だが、森鴎外や夏目漱石、谷崎潤一郎、島村抱月、三島由紀夫など名だたる日本の文学者、芸術家にも影響を与えた。中でも、代表作の一つ『ドリアン・グレイの肖像』は今でも映画化、舞台化される名作だ。
美しい青年が退廃的な生活を送りながら虚と実の間を行き来する物語は、宝塚作品、ストレートプレイ、朗読劇と形を変えては上演が繰り返される。
今回上演される『ワイルド・グレイ』は、『ドリアン・グレイの肖像』を発表した後のオスカー・ワイルドと彼にまつわる二人の男を描いたミュージカル。
『ドリアン・グレイの肖像』は、その背徳性ゆえに何度も修正を繰り返し、主人公のドリアンが死を迎えるという望まない結末で小説を出版することになる。究極的な美を追い求めるワイルドと彼を支える元恋人のロス。そして、彼らの前に現れたドリアン・グレイにそっくりな青年、アルフレッド・ダグラス。3人の複雑な関係をピアノ、チェロ、バイオリンの旋律が彩っていく。
今回は、常々、ミュージカルに向き合いたいと感じていた根本宗子が演出を手掛ける。この作品を『創作と孤独』の物語だと捉え、演出の他に日本版の上演台本も手掛けている。
福士誠治×立石俊樹×東島京/平間壮一×廣瀬友祐×福山康平の6名がチーム固定のWキャストで出演する。
公式HPで公開されている福山康平とシェイクスピア学者の東京大学教授・河合祥一郎氏との対談を読むと、男性3人の一見爛れて見える関係が単純なものではないことが分かる。このあたりの予習をしっかりした上で、思い切り堪能してみたい作品だ。
ミュージカル『ワイルド・グレイ』
出演(Wキャスト)/福士誠治 立石俊樹 東島京/平間壮一 廣瀬友祐 福山康平
脚本 /イ・ジヒョン
音楽 /イ・ボムジェ
翻訳/石川樹里
演出・上演台本・訳詞/根本宗子
訳詞/保科由里子
主催/ホリプロ/ローソンチケット
企画制作/ホリプロ
<東京公演>
公演日程/2025年1月8日(水)~1月26日(日)
会場/新国立劇場 小劇場
チケット料金(全席指定・税込)/S席:10,500円 バルコニー席:8,5000円 U-25:7,000円