三菱一号館美術館再開館記念としてロートレックとソフィ・カル展開催 | Numero TOKYO
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三菱一号館美術館再開館記念としてロートレックとソフィ・カル展開催

2010年4月の開館以来、多数企画展を開催してきた三菱一号館美術館(東京・丸の内)。設備メンテナンスのため長期休館をしていたが、2024年11月23日(土)より再開館となった。その記念として、展覧会「再開館記念『不在』 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」が開催中だ。

時代を映す鋭敏なアーティストの感性を一つの手がかりに、時代の変化に応じた活動を続けてきた三菱一号館美術館。2020年に、開館10周年記念展として企画された「1894 Visions ルドン、ロートレック」において、現代フランスを代表するアーティストのソフィ・カルを招聘する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行により来日を見送り。現代アーティストとの協働というプロジェクトは再開館後に持ち越されることになった。なおソフィ・カルと日本のつながりは深く、2024年の「高松宮殿下記念世界文化賞」絵画部門を受賞している。

(参考)第35回「高松宮殿下記念世界文化賞」坂茂ら5名が受賞

満を持して開催となった本展では、美術館のコレクションそして展覧会活動の核をなすアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの作品を改めて展示し、そこにソフィ・カルを招聘し協働することで、美術館活動に新たな視点を取り込み、今後の発展につなげていくことを目指しているという。

長年にわたり、「喪失」や「不在」について考察を巡らせているソフィ・カル。一方、トゥールーズ=ロートレックは、「不在」と表裏一体の関係にある「存在」について「人間だけが存在する。風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない。」と言葉を残しており、生涯にわたって人間を凝視し、その心理にまで踏み込んで、「存在」それ自体に迫る作品を描き続けてきた作家だ。

トゥールーズ=ロートレックも彼が描いた人々も「不在」となり、今ではその作品のみが「存在」している。ソフィ・カルから投げかけられた「不在」という主題を通して、当事者が関わることができない展覧会や美術館活動の「存在」について考えていく。

また、1月3日(金)は夜間17:00〜20:00も開館し、来場者にオリジナルステッカーをプレゼント。休館中に仮囲いとして覆っていた装飾の一部をトリミングしてつくられたものだという。こちらもぜひチェックを。

※掲載情報は12月2日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

再開館記念「不在」 ―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル
日時/2024年11月23日(土)〜2025年1月26日(日)
会場/三菱一号館美術館
住所/東京都千代田区丸の内2-6-2
時間/10:00〜18:00(祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は20時まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館/月曜日、 年末年始(12月31日、1月1日)※ただし12月30日、1月13日、1月20日は開館
料金/一般2,300円、大学生1,300円、高校生1,000円、小・中学生無料
URL/mimt.jp/ex/LS2024/

Text:Akane Naniwa

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