彩の国さいたま芸術劇場開館30周年特別企画『夏の夜の夢』 | Numero TOKYO
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彩の国さいたま芸術劇場開館30周年特別企画『夏の夜の夢』

この10月に開館30周年を迎える彩の国さいたま芸術劇場。

これを記念して12月、彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督の吉田鋼太郎演出による、シェイクスピアの代表的喜劇『夏の夜の夢』の上演が予定されている。

彩の国さいたま芸術劇場の代名詞ともいうべき上演演目が、シェイクスピアの作品。芸術監督だった演出家・蜷川幸雄がライフワークの一つとして取り組んだ全37作品の上演は吉田鋼太郎に引き継がれながら、1998年から実に25年の歳月をかけて完遂されている。

「まさかもう上演しないのか?」というファンの心配をよそに、“彩の国さいたま芸術劇場のシェイクスピア”は今年、「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd」として、5月に『ハムレット』で新たなスタートを切った。

本作は、開館30周年記念として、通常のシリーズとは別に幅広い年代層に再度、シェイクスピア作品を通して演劇や広くは芸術への親しみを訴えかける試みだ。そのため、高校生を中心とした若い観客から大人まで幅広い層に楽しんでもらうことを目的に、公募で選ばれた埼玉県内の高校生や18歳以下の子どもを招待することも決定している。

シェイクスピアの作品は悲劇と喜劇のコントラストの強さに特徴があるが、『夏の夜の夢』はその代表的な作品のひとつ。ギリシャのアテネを舞台に人間たちの恋を妖精たちが弄ぶ、ユーモア満載の戯曲だ。

人間にいたずらを仕掛ける妖精パックの存在は、人間の滑稽さをこれでもかと見せてくるシェイクスピアの姿ともオーバーラップしてくる。

出演者も様々な年代の俳優が顔を揃え、演出の吉田鋼太郎のもと、層の厚い芝居に期待が高まる。

シェイクスピア作品は観終わった後、俳優たちが放出するエネルギーの中を夢中で駆け抜けてきたような没入感と開放感とがある。まさに演劇の醍醐味ともいえる経験を、幅広い年代に味わってもらいたい。

舞台『夏の夜の夢』

作/ W.シェイクスピア
翻訳/小田島雄志
演出・上演台本/吉田鋼太郎
キャスト/鍛治直人 太田緑ロランス 窪塚俊介 美山加恋 深澤 嵐 
竹内カンナ 塚本幸男他
公演日程/2024年12月10日(火)〜16日(月)
会場/彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
※12月11日、12日、13日15時、16日は高校生観賞事業対象公演の為、一般販売はありません。
*12月13日(金)は記録映像収録のため、場内にカメラを設置いたします。
チケット料金(全席指定・税込)/
一般: S席 7,000円 A席 5,000円 B席 3,000円
SAFメンバーズ: S席 6,500円 A席 4,600円 B席 2,800円
*未就学児入場不可
★小学生以上18歳以下無料&同伴の保護者半額★
本公演は、全公演(貸切公演は除く)にて小学生以上18歳以下の子供を無料でご招待するとともに、子供1名に対し同伴の保護者1名を半額でご案内いたします(S席のみ・枚数限定)。申込方法などの詳細は、こちらをご覧ください。

お問い合わせ/SAFチケットセンター;0570‐064‐939(休館日を除く10:00‐18:00)
URL/https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/101029/
主催・企画制作/公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
助成/文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業

Text: Reiko Nakamura

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