町を歩いて、出会う「発酵文化芸術祭 金沢 ―みえないものを感じる旅へ―」 | Numero TOKYO
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町を歩いて、出会う「発酵文化芸術祭 金沢 ―みえないものを感じる旅へ―」

アートと発酵文化、そしてまち歩きが楽しめる「発酵文化芸術祭 金沢 ―みえないものを感じる旅へ―」が、金沢21世紀美術館と、金沢市、白山市の6ヶ所の会場で開催されている。2024年12月8日(日)まで。

「発酵」といえば、金沢はじめ石川県には、カブとブリを糀で漬けた「かぶらずし」、フグの卵巣を糠に漬け込み解毒する「ふぐのこ」など、独自の発酵文化が根づいている。さらに醤油や酒など、数百年の歴史を持つ醸造蔵も多く残る。

「発酵文化芸術祭」の開催にあたり、総合プロデューサーに発酵クリエーターの小倉ヒラク、共同キュレーターとしてドミニク・チェンが招かれた。参加するアーティストは、三原聡一郎、関口涼子、VIDEOTAPEMUSIC、遠藤薫、secca、Ferment Media Research(ドミニク・チェン、ソン・ヨンア、城一裕、三谷悠人)の7組。また、白山市鶴来エリアでは、特別展⽰「鶴来エクスカーション」として5組の作家が参加している。

三原聡⼀郎  撮影:⼭本糾 写真提供:⻘森公⽴⼤学国際芸術センター⻘森
三原聡⼀郎  撮影:⼭本糾 写真提供:⻘森公⽴⼤学国際芸術センター⻘森

遠藤薫
遠藤薫

現代美術家、ミュージシャン、デザイナー、研究者、さまざまなバックグラウンドを持つクリエイターが、醸造文化について掘り下げ、作品をつくりあげる。

secca
secca

まずは金沢21世紀美術館でチェックイン。ガイドブックを受け取り、町歩きの情報を得ることができる。会場となるプロジェクト工房では、石川の発酵文化の紹介や展示、発酵に関する商品の販売も。

町歩きの情報を手に入れたなら、金沢市、白山市の6カ所の会場へ。しょうゆの醸造蔵や発酵と繋がりのある場所でのインスタレーション作品を巡ることができる。

発酵微⽣物たちと会話できるぬか床ロボット
「Nukabot」(Ferment Media Research) 撮影:関⾕直任
発酵微⽣物たちと会話できるぬか床ロボット 「Nukabot」(Ferment Media Research) 撮影:関⾕直任

「ふだん観光するだけでは触れられない100年単位の長い時間軸、土や水や風、微生物などの自然のちからに参加者がアクセスできるように工夫を凝らします」と、総合プロデューサーの小倉ヒラク

⼩倉ヒラク
⼩倉ヒラク

アートを巡ったあとは、ぜひ食べることでも発酵文化を体感してほしい。会場の蔵での発酵食品を試飲試食したり、発酵にゆかりのある飲食店を訪ねても楽しい。地元の日本酒もぜひ。

数百年以上にわたり、幾多の災害や戦火を超え、町や暮らしの中に息づいてきた発酵文化。見えないものを感じる力は、日常を豊かにすることにも直結している。ぜひ、金沢へ足を運んでほしい。

発酵文化芸術祭 金沢 ―みえないものを感じる旅へ―
期間/2024年9月21日(土)〜12月8日(日)
会場/【チェックイン&発酵文化展示】 金沢21世紀美術館 プロジェクト工房(10:00~18:00)
【インスタレーション展示】 大野エリア、石引エリア、野町-弥生エリア、東山-大手町エリア、白山市鶴来エリア
※時間、休場日など、会場によって異なります。詳細は各会場情報をご覧ください。
料金/一般 2,000円、大学生1,500円、小中高生 800円(ガイドブック付き)
URL/fermenarts.com

 

Text:Hiromi Mikuni

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