奄美大島の自然を描いた不世出の画家・田中一村の大規模展@東京都美術館 | Numero TOKYO
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奄美大島の自然を描いた不世出の画家・田中一村の大規模展@東京都美術館

『白い花』1947年 田中一村記念美術館蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyama
『白い花』1947年 田中一村記念美術館蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyama

澄んだ光に満たされた自然を描き出す画家、田中一村(たなか・いっそん)の大規模展覧会が開催中。東京・上野の東京都美術館にて2024年12月1日(日)まで。


鹿児島県・奄美大島へ移り住み、人生を賭して自然の美しさを探求した画家の田中一村(1908-77年)。自身の作品を個展などで発表する機会がないまま生涯を閉じた一村だが、1979年、有志によって開催された遺作展が異例の動員数を記録。その数年後にテレビ番組『日曜美術館』(NHK 教育テレビ)が一村を取り上げると、その名は全国区に。近年では、村上隆が注目するなどして話題を呼び、再評価が進んでいる。

『花と軍鶏』(1953年頃) 田中一村記念美術館蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyama
『花と軍鶏』(1953年頃) 田中一村記念美術館蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyama

本展「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」では、一村が晩年までの約20年間にわたって生活した奄美大島での作品を中心に、約250作品を公開。代表作『不喰芋と蘇鐵(くわずいもとソテツ)』(1973年以前)や『アダンの海辺』(1969年)は、奄美の自然と光の移ろいが見事に表現され、その卓越した技法を堪能できる。また、一村の知られざる横顔に迫る、多数の初公開の作品も見逃せない。

生前、「最後は東京で個展を開いて、絵の決着をつけたい」と述べたという一村の大規模展。ぜひ、ご堪能あれ。

『椿図屏風』(1931年) 千葉市美術館蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyama
『椿図屏風』(1931年) 千葉市美術館蔵 Ⓒ2024 Hiroshi Niiyama


※掲載情報は10月2日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

田中一村展 奄美の光 魂の絵画
会期/2024年9月19日(木)~12月1日(日)
会場/東京都美術館
住所/東京都台東区上野公園8-36
料金/一般 2000円、大学生・専門学校生 1300円、65歳以上 1500円、高校生以下 無料
時間/9:30~17:30(金曜は、〜20:00、入室は閉室の30分前まで)
休館日/月曜日(ただし、10月14日(月)、11月4日(月)は開館、翌火曜休室)
URL/isson2024.exhn.jp

Text : Manami Abe

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