東京国立博物館と共同企画、内藤礼の個展が銀座メゾンエルメス フォーラムでスタート
国内外で注目されるアーティスト、内藤礼。東京国立博物館(東京・上野)と共同で企画された個展「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」が、銀座にある銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催中だ。
「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」を一貫した問いとして作家活動を続けてきた内藤礼。光や影、水や大気のうつろいがもたらす生と死のあわいに、日々見過ごしがちなささやかな事物や情景、知覚しがたい密やかな現象を「根源的な生の光景」として、私たちの中に結び付けることで、深い体験をもたらしてきた。
本展は、東京国立博物館にて開催され、大きな話題を呼んだ同名の展覧会と一連の流れを持って構想されたもの。会期を一部重ね合わせながら、ひとつの大きな円環を描くというかたちで展開される。歴史ある東京国立博物館の空間とは対照的でもある、近代的な銀座メゾンエルメス フォーラムの空間を生かした展示となった。
(参考)「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」が開催@東京国立博物館(東京・上野)
連続する2つの会場は、絵画や立体作品によってつながった構成で行われる。とくに、2023年から24年の間に日々アトリエで制作された『color beginning/breath』シリーズは、展覧会に向かう作家の生の刻として、物理的な時間の不可逆性を示し、両会場を結ぶ円環の語りの一軸を形成しているという。
東京国立博物館で縄文時代の土製品や獣骨と出会い紡がれた親密な時間やままごとの痕跡、数々の展示室を巡る回路からもたらされた記憶らが、作品の断片や空気、眼差しの間に交差する時空を形成し、空間に佇む人や低い位置に設置された『座』に身を寄せる人の姿を通して、超越的な協和を浮かび上がらせるはずだ。
会期は2025年1月13日(月・祝)まで。お見逃しなく。
※掲載情報は9月22日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」
会期/2024年9月7日(土)~2025年1月13日(月・祝)
会場/銀座メゾンエルメス フォーラム8・9階
住所/中央区銀座5-4-1
時間/12:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日/水曜日、10月24日(木)
URL/www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/240907/
Text:Akane Naniwa