極限の身体が挑む驚異のパフォーマンス ラシッド・ウランダン『Corps extrêmes-身体の極限で』 | Numero TOKYO
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極限の身体が挑む驚異のパフォーマンス ラシッド・ウランダン『Corps extrêmes-身体の極限で』

ⓒPascale Cholette
ⓒPascale Cholette

2021年、パリのシャイヨー国立劇場ディレクターに就任したラシッド・ウランダンが発表した『Corps extrêmes(コール エクストレーム)―身体の極限で』が、ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペルフェスティバルの一環として、10月彩の国さいたま芸術劇場で上演される。

この作品は、まぎれもないダンスなのだが、観客の中には頭に「?」が浮かぶ人もいるだろう。何せ、セットにオリンピックでもおなじみのあのデコボコのついた壁が登場するのだから。

ⓒPascale Cholette
ⓒPascale Cholette

この作品は「空中を飛びたい、無重力になってみたい」といった願望がひき起こすある種の魅惑に焦点を当てている。

誰もが一度は思い描いただろう願望に向かって、傑出した才能をもつ超高所での綱渡り(ハイライナー)とクライマーの2人が、8人のアクロバットパフォーマーとともに数々の超絶技巧を繰り広げる。

ⓒPascale Cholette
ⓒPascale Cholette

こうした技術の主戦場は、サーカスやイリュージョンショーのような場所が常だが、その心の内を表現してみせるのが今回のダンス作品だ。

作中、世界最高記録をもつハイライナー(超高所での綱渡り)のナタン・ポランらの言葉が語られる。何が彼らを空中に駆り立てるのか。驚異的な技で魅せる彼らの極限状態における心の内とは――。

ⓒPascale Cholette
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大きなリスクを抱えながらも、人の領域を超える技に魅了される舞台上の人々。

空を飛びたい、という夢を持つ人の総数に対して、それを実現する人数はそう多くはない。だが、一瞬でもそんな可能性が見えてしまったとすれば、その可能性に取りつかれてしまうことは容易に想像がつく。だが同時に、重力に抗えなかった時の恐ろしさはいかばかりか。

ジャン=バティスト・ジュリアンの重層的な音楽とともに、並外れた人間の体験に近づく。そんな禁断の体験を味わってみよう。

 

舞台 ラシッド・ウランダン『Corps extrêmes(コール エクストレーム)―身体の極限で』

コンセプト・構成/ラシッド・ウランダン
出演/タミラ・ドゥ・ナイヤール、ベラール・サン・ヴィサント、リザンドロ・ギャロ、ジョエル・アズー、ヴァレリアン・ムティエール、マキシム・セゲール、シャルリー・エシオン、ニコロ・マルツォーリ、カミーユ・ドゥマス、アントワーヌ・クレティノン
映像出演/ナタン・ポラン、ニーナ・カプリッツ
音楽/ジャン=バティスト・ジュリアン 
映像製作/ジャン=カミーユ・ゴイマール
照明/ステファン・グライヨ 
衣裳/カミーユ・パナン

<埼玉公演>

公演日程/10月26日(土)19:00 、10月27日(日)15:00
(全2公演)
会場/ 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
URL/ https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/100849/
料金/一般 S 席 6,500 円 A 席 4,500 円 メンバーズ S 席 6,000 円 A 席 4,000円
U-25* S 席 3,500 円 A 席 2,500 円
*公演時 25 歳以下対象。入場時要身分証提示。

<チケット取り扱い・問い合わせ>
Web/SAF オンラインチケットhttps://www.saf.or.jp/t/
TEL/SAF チケットセンター 0570-064-939 (劇場休館日を除く 10:00~18:00)
窓口/彩の国さいたま芸術劇場(休館日を除く 10:00~18:00)
埼玉会館(休館日を除く 10:00~18:00)
イープラス https://eplus.jp 、チケットぴあhttps://t.pia.jp

主催/彩の国さいたま芸術劇場(公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団)
ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル
助成/文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業(劇場・音楽堂等機能強化総合支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
後援/在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

<京都公演>
公演日程/11月2日(土)19:00、11月3日(日)15:00
(全2公演)
会場/ロームシアター京都 サウスホール
URL/ https://rohmtheatrekyoto.jp/event/119757/
TEL/075-746-3201(10:00~17:00)

Text:Reiko Nakamura

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