彫刻家・舟越桂を悼んで「森へ行く日」展が開催 @彫刻の森美術館
神奈川・箱根にある彫刻の森美術館の開館55周年を記念して、日本を代表する彫刻家・舟越桂の展覧会「森へ行く日」が開催。彫刻の森美術館 本館ギャラリーにて、2024年7月26日(金)〜11月4日(月・休)まで。
本年3月に惜しまれつつ逝去した、日本を代表する彫刻家・舟越桂の展覧会「森へ行く日」が開催されている。彫刻の森美術館は、日本初の野外彫刻美術館として親しまれている箱根の人気スポット。その開館55周年を記念して昨年から準備が進められていた本展は、最期まで本展の実現を望んだ本人の意思と、遺族の意向を尊重して開催される運びとなった。
そんな本展は、四つの展示室によって構成されている。展示室3では、一貫して“人間の存在”をテーマにしていた舟越が、「心象人物」と名付けた一連の作品群を中心に展示。これまでの作風から大きく変化した『水に映る月蝕』(2004年)のほか、東日本大震災をきっかけに制作された『海にとどく手』(2016年)、両性具有の身体と長い耳を持つスフィンクスを題材にした『戦争を見るスフィンクスII』(2006年)など、目に見えない祈りや想いを人間の姿にした作品の数々を堪能することができる。
また、1997年に出版された著書『おもちゃのいいわけ』が、本展に合わせて27年ぶりに増補新版として再販されることを受けた展示企画も。展示室4では同書に新たに加わる作品とともに、舟越が家族のために作ったおもちゃの数々が公開される。
さらに、アートホールでは、舟越が選りすぐった近現代彫刻を展示する「彫刻の森美術館名作コレクション+舟越桂選」も開催。同館が収蔵する作品から厳選された作品のほか、現代アーティストの三木俊治、三沢厚彦、杉戸洋、名和晃平、保井智貴の5名が作品を出品している。こちらは2024年12月1日(日)まで。
生涯を通じて人間の存在を深く見つめ続けてきた舟越のまなざしを、箱根の森の中で感じてみてはいかが。
※掲載情報は7月28日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
彫刻の森美術館 開館55周年記念「舟越桂 森へ行く日」
会期/2024年7月26日(金)~11月4日(月・振休)
会場/彫刻の森美術館 本館ギャラリー
住所/神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
料金/大人 2000円、大学・高校生 1600円、中学・小学生 800円、未就学児 無料
時間/9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館/www.hakone-oam.or.jp
Text : Manami Abe