「土」から学ぶ展示@銀座メゾンエルメス フォーラム
エルメス財団による、自然素材にまつわるスキル(職人技術や手わざ)の伝承、拡張、知識の共有を目指すプログラム「スキル・アカデミー」。その成果展「土に学ぶ、五感で考える」が、東京・銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催される。
2024年3月、中高生を対象に「春のワークショップ:土に学ぶ、五感で考える」を行った「スキル・アカデミー」。成果発表となった「夏のオープンクラス」では、春に得たさまざまな土との出会いを入口に、土にまつわる学際的なスキルを広く共有すると同時に、土を廻って交差する時間軸について継続的に学び、考える場となることを目指す、初めての取り組みだ。
本企画では、人間の一生を遥かに超えた時間を宿す素材であり、太古から動物・植物・土壌生物・微生物などあらゆる生物のすみかでもある「土」をひとつのタイム・ベーストなメディアとして捉える。扱われる時間軸は、生と死、起きることや眠ること、その循環、その間にある生命の営みや生活といった人間中心のできごとにとどまらず、人間以外の生物、あるいは地質学的なスケールで土の時間といった、死や眠りを超えて後世へ遺され、再生し続ける土について、五感で体験し、味わう、会期を通して変化する学びの場を鑑賞者とともにつくっていくという。
展示は、その中心となる家としての建築を参加型ワークショップでつくるところからスタート。監修に建築史家/建築家の藤森照信を迎え、春に講師を務めた土建築研究者の山田宮土理と、左官職人・都倉達弥、そして参加者の手によってつくられた土にすっぽりと覆われる建築が、見るものを土の世界へと誘う。
また、家としての建築とその庭のように広がる展示空間は、「呼吸する」「代謝する」「排泄する」「休む」といった生命維持に必要な様々な機能をもった「すみか」として、さまざまな人やもの、環境を受け容れながら、アクティベートされていくという。春のワークショップに関連する縄文土器や資料展示に加え、アーティストの西條茜、三原聡一郎らが展示に参加。そのほかにもさまざまなゲストを迎えながら、トーク・セッションやワークショップなども開催される。各イベントについての詳細はウェブサイトにて要チェックを。
※掲載情報は7月13日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
スキル・アカデミー:夏のオープンクラス
「土に学ぶ、五感で考える」成果発表
日時/2024年7月13日(土)〜8月18日(日)
会場/銀座メゾンエルメス フォーラム
住所/東京都中央区銀座5-4-1
時間/11:00〜19:00(入場は18:30まで)
URL/www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/forum/240713/
Text:Akane Naniwa