ルイ・ヴィトンのフォトブック「ファッション・アイ」にマーティン・パー撮影の新刊が登場 | Numero TOKYO
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ルイ・ヴィトンのフォトブック「ファッション・アイ」にマーティン・パー撮影の新刊が登場

ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)が刊行している、珠玉のファッションフォトグラファーたちによるフォトブックシリーズ「ファッション・アイ」。このたび、新たにイギリス出身の写真家、マーティン・パーによる『ユナイテッド・キングダム』が発表された。

「ファッション·アイ」シリーズ、『ユナイテッド·キングダム』より。
「ファッション·アイ」シリーズ、『ユナイテッド·キングダム』より。

1952年にロンドン郊外のサリー州で生まれたマーティン・パー。祖父から写真の手ほどきを受け、70〜73年までマンチェスター・ポリテクニックで写真を学ぶ。当初、ドメスティックなシーンではモノクロームで撮り、それ以外のすべてのシーンではすぐにカラーに移行して、現実とは不完全なものであることを見事に表現してみせた。

(関連記事)Numero.jp/写真家、マーティン・パーの独占インタビュー【前編】「写真は一種の収集の形」

「ファッション·アイ」シリーズ、『ユナイテッド·キングダム』より。
「ファッション·アイ」シリーズ、『ユナイテッド·キングダム』より。

そして今年、ルイ・ヴィトン パブリッシングによる次の旅先として、マーティン・パーによる『ユナイテッド・キングダム』が発表された。98年から現在まで、イギリスのいたる所で人々やその暮らしを撮影した作品たちは、マーティン・パーの自国に対する感情を簡潔に表現したもの。未発表を含む約100点もの写真をとおして、労働者階級や貴族を含むさまざまな日常生活を写し出している。

「ファッション·アイ」シリーズ、『ユナイテッド·キングダム』より。
「ファッション·アイ」シリーズ、『ユナイテッド·キングダム』より。

また本作を通して漂うのは、サッチャー時代のX線写真とも言うべき初期のカルト・
シリーズや、映画『Bad Weather』(1982年)、『The Last Resort』(1982-1985年)、『The Cost of Living』(1989年)、そして『Signs of the Times』(1992 年 ) などでマーティン・パーが確立した皮肉っぽい雰囲気。そこから40年を経た現在の彼は、自身の父親が鳥を観察していたのと同じ辛抱強さで仲間たちを観察している。

2016年に誕生した「ファッション・アイ」。旅を異なる視点から捉え、過去から現在まで時代を超えたファッション・フォトグラファーたちが、ある都市や地方、国のポートレートを描写している本シリーズ。世界中を駆け巡るマーティン・パーによる新刊に、どうぞご注目を。

※掲載情報は4月23日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

ルイ・ヴィトン「ファッション・アイ」ユナイテッド・キングダム
発売日/2024年4月5日よりルイ・ヴィトンストアおよび公式サイトlouisvuitton.comにて販売
価格/¥6,820
URL/https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/products/fashion-eye-united-kingdom-nvprod5370116v/R09356

Text : Akiko Kinoshita

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JUNE 2024 N°177

2024.4.26 発売

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