渋谷慶一郎「アンドロイド・オペラ」凱旋公演決定!
先鋭的な電子音楽作品からピアノソロ 、オペラ、映画音楽、サウンド・インスタレーションまで多岐にわたり、東京・パリを拠点に活動を行う渋谷慶一郎。6月には昨年、パリ・シャトレ座で上演された『MIRROR』の凱旋公演を控えている。この作品は、アンドロイドとオーケストラ、1200年の歴史を持つ仏教音楽・声明と渋谷自身の演奏によるピアノ、電子音楽、そして映像、照明によって構成される大規模な劇場作品だ。
2022年のドバイ万博で発表され、翌年には70分の作品として再制作された。今回は、パリでの初演を経て日本初演を開催。今回の東京公演では2021年に新国立劇場の委嘱により初演された、子どもたちとアンドロイドが創る新しいオペラ『Super Angels』の抜粋が第一部として披露される。
視覚や聴覚に障害を抱えるなど多様な子どもたちが構成する『ホワイトハンドコーラス NIPPON』による児童合唱、渋谷によるピアノとオーケストラの演奏、アンドロイドそして新進気鋭のアーティスト岸裕真による AI を用いた映像による作品になっている。子どもたちの衣装はHATRA とのコラボレーションを予定するなど、まさに文化の交差点と言えるような作品だ。
第二部の『MIRROR』では、アンドロイド「オルタ4」がヴォーカルを務め、加えて高野山から4人の僧侶であり声明の演奏家が参加。若手僧侶の谷朋信が初めてリードを務めるという。
映像はフランス人ビジュアルアーティストJustine Emardが来日。東京公演のために集まる40名のオーケストラは、コンサートマスターにクラシックから現代音楽まで幅広く活躍するヴァイオリニスト、成田達輝を迎えるという豪華な顔ぶれだ。
渋谷によれば、6年前の日本科学未来館でのアンドロイド・オペラ単独公演では本番直前までアンドロイドとオーケストラの調整、リハーサルがうまくいかず『今回は一生で初めての黒歴史になるかもしれない』と覚悟しながらステージに向かった、という。
公演は成功し、その後、世界中で大きな称賛を受けている。だが、初期の時代には渋谷自身にも「この作品、コンセプトは新しいのだろうか?もしかして古いのか?」と、迷いがあった。しかし、この6年の間に、誰もがAIに触れる機会を持つようになり、ボカロPと呼ばれる人たちも爆発的に増えた。渋谷の持つ未来を見通す力の確かさは、言うまでもない。
本作のような大規模なコラボレーション作品は希少だ。過去と現代の、世界と日本の、アナログとデジタルの、さまざまな文化の交点をぜひ、感じてみたい。
公演名:『Android Opera TOKYO – MIRROR/Super Angels excerpts.』
日時/2024年6月18日(火)開場18時、開演19時
会場/恵比寿ガーデンホール
住所/〒153-0062 東京都目黒区三田1丁目13
料金/S席 22,000円 A席 16,500円 B席 11,000円 C席 7,700円 D席 5,500円 学生 3,300円(枚数限定)
チケット販売 URL/http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2414401
P コード/269052
興行コード/2414401
Text:Reiko Nakamura