ジェスキエールが描く未来への旅「ルイ・ヴィトン」 2024秋冬コレクション | Numero TOKYO
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ジェスキエールが描く未来への旅「ルイ・ヴィトン」 2024秋冬コレクション

ルイ・ヴィトン」2024-25秋冬ウィメンズ・コレクションが、2024年3月5日に発表された。ショーの会場となったのは、ルーヴル美術館の中庭クール・カレ。ちょうど10年前、2014年の同日に、アートディレクターに就任したニコラ・ジェスキエールがファーストコレクションを発表した場所でもある。

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多くのゲストが駆けつけ、ルイ・ヴィトンとジェスキエールの10周年となる特別なコレクションを祝福した。アンバサダーのケイト・ブランシェット、エマ・ストーン、NewJeansのヘイン、BLACKPINKのリサ、DJのペギー・グー、そして日本からはアンバサダーの広瀬すず、フレンド・オブ・ザ・ハウスを務めるKōki,、そしてAwichが訪れた。

ショーの始まりを告げるティーザーは、ゲストに届けられるレターが印刷される様子から。ジェスキエールのメッセージには、10年前のファーストコレクションの喜びを思い出し、その喜びはまだここにあること、そして新たな旅への誘いが綴られる。そして視点は、突然、宇宙へ飛び出し、そのまま地上のルーヴルの光を目指して、一直線に向かっていく。

会場となったルーヴル美術館の中庭クール・カレ。中央には巨大なオブジェが光を放っている。それは北極星をイメージしているといい、未来的でありながらも、ネオン管のようなライトや、糸のように広がるコードに、どこか懐かしさも感じられる。
舞台美術は、2023年秋冬コレクションに続いて、アーティストのフィリップ・パレーノ、プロダクション兼デザイナー、ジェームズ・チンランドが担当。サウンドデザイナーのニコラ・ベッカーがサウンドスケープを手がけた。

遠くから鳴り響くフラヴィエン・ベルジェのエレクトロなサウンドとともに、ファーストルックはエアリーなホワイトのジャケットから。シルバーやメタリックなカラーのフューチャリスティックなルックが続く。そしてStray Kidsのフィリックスがモデルとしてランウェイに登場した。

アシンメトリーなドレス、ネオプレン素材を用いたジャケット、メタリックでゴージャスな刺繍が施されたジャケット、ボリュームのあるロングスカート。そこには、これまでのジェスキエールのコレクションでのエッセンスが散りばめられている。そして、職人が手がけたディティールへのリスペクト、愛着のある衣服への親近感にも結びついていく。

大きなファーの手袋、ネコ耳のようなキャップ、ニットに組み合わせたビジューのついたドレス、ナチュラルなヘアメイク、限りなくシンプルに服とヘルシーな肌で魅せるスタイル、日常や遊び心につながる組み合わせも印象的だった。

そしてフィナーレを飾ったのは、素材使いとカッティングが美しい、シンプルでゴージャスなブラックドレス。

「そのすべてがイマジネーションに吸収され、慣れ親しんだものは新しく生まれ変わります。明日はいつも新しい日なのです……」

北極星のように、時空を超えても揺るがないコアがあるならば、どこからでも辿りつける。そしてどこへでも旅立つことができる。
行ったり来たりしながら、それぞれが愛すべき記憶を携えて向かうことができる未来。ニコラ・ジェスキエールとルイ・ヴィトンの描く、美しい旅のスケールが、豊かに広がる圧巻のコレクションとなった。

ルイ・ヴィトンクライアントサービス
TEL/0120-00-1854
URL/louisvuitton.com

Text:Hiomi Mikuni

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DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

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