「Fendi」英国とローマのスタイルが交差する、2024-25年 秋冬ウィメンズコレクション |Numero TOKYO
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「Fendi」英国とローマのスタイルが交差する、2024-25年 秋冬ウィメンズコレクション

フェンディ(Fendi)が2024年2月21日(水)、ミラノにて2024-25年 秋冬ウィメンズコレクションを発表した。会場には、ジャパンブランドアンバサダーを務める川口春奈、IVEのアン・ユジン、(G)I-DLEのウギ、ジェシカ・ビール、アンバー・ヴァレッタなど世界各国からゲストが詰めかけた。

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アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズによると、今回のコレクションはフェンディの1984年のアーカイブから着想を得たという。そのスケッチには、当時ロンドンでムーブメントとなっていたブリッツ・キッズと呼ばれる若者たちや、音楽ジャンルの一つであるニュー・ロマンティックスのスタイル、ワークウェアなどが描かれていたと語る。

「英国のサブカルチャーやスタイルがグローバル化すると同時に、世界の影響を吸収する時期でした。それでも、依然と英国独自の気品と余裕があり、他人がどう考えようとも気にしない、ローマのスタイルに共鳴する部分がありました」(キム・ジョーンズ)。

そんな英国風スタイルに、フェンディ的な要素の一つであるユーティリティを重ね合わせた。

「初めてシルヴィア・フェンディに会ったとき、彼女はシックなサファリ風のユーティリティスーツを身につけていました。それが私のフェンディに対する根本的な視点を形作りました」(キム・ジョーンズ)。

実用的で贅沢、シンプルで劇的、サロンとストリート、都市と田舎といった、一見相反するような要素を融合した。ここでの「贅沢さ」とは、衣服やアクセサリーが着る人にとって自己表現をするための強い自信となること。ロンドン風の無頓着さがローマ的な自由に出会い、実用性が意思表示に変わっていくような着こなしやすさを探求したという。実用的でありながら遊び心もある、フェンディならではの二面性がコレクション全体に息づいている。

厳格なテーラリングに始まり、丸みを帯びたシルエットが印象的なエレガントなルックが続く。英国のアランニットやガンジーセーターを思わせるニットも多く見られ、レイヤードしたり首元でクロスしたデザインでひと捻り加えている。前半の色はグレーやブラウン、カーキなどダークトーンのカラーが中心。

ローマの彫像をプリントしたドレスやパンツ、ニットとして編み込んだピースも。

チュールやオーガンザなど透け感のある素材にはドットをあしらい、軽やかに。

ブルーやデニム×アースカラーとのコンビネーションも一際存在感を放っていた。

馬具職人のインスピレーションとクリエイションから生まれた「セレリア」がレザーの乗馬ブーツとして登場。

また、サルバドール・ダリがロゴを描き、「FF」ロゴラッピングと一体化した「チュッパチャプス」のロリポップホルダーも、遊び心溢れるアクセサリーに。

バッグは、過去のスタイルを解体し、柔らかい構造で再構成したデザインが目立った。「ピーカブー」、「バゲット」、「バイ ザ ウェイ」など、フェンディを代表する人気モデルのほか、ソフトなサッチェルバッグ「シンプリー フェンディ」とそれに組み合わせた丸みを帯びたショッパーバッグ「ロール」も初披露された。

ショーのビハインドや、サヴォアフェールに迫った動画も到着。ぜひチェックを。

Text: Yukiko Shinto

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