若手アーティストを中心に11組が参加「MOTアニュアル2023」が開催中
1999年より、東京・清澄白河にある東京都現代美術館にて開催されてきた「MOTアニュアル」。若手作家の作品を中心に現代美術の一側面をとらえ、問いかけや議論のはじまりを引き出すグループ展のシリーズだ。11組の作家による約50点の作品・資料が公開中。
19回目を迎える今回のタイトルは「シナジー、創造と生成のあいだ」。アーティストの想像力や手仕事による「創造」と、近年社会的に注目を集めるNFTや人工知能、人工生命、生命科学などのありようを反映するかのように自動的に生まれる「生成」とのあいだを考察するという。
会場では荒井美波、(euglena) 、後藤映則、Unexistence Gallery(原田郁/平田尚也/藤倉麻子/やんツー)、やんツー、菅野創+加藤明洋+綿貫岳海、花形槙、Zombie Zoo Keeper、石川将也/杉原寛/中路景暁/キャンベル・アルジェンジオ/武井祥平、友沢こたお、市原えつこら、11組の作家による約50点の作品・資料が公開。「創造と生成」の両域にまたがり活動する10歳から30代までの若手アーティストによる本展のための新作や、本展にあわせたインスタレーションが展開中だ。テクノロジーを用いつつも、決して「最先端」を追うことに限らない、表現領域の拡がりと流れを体感できるだろう。
また、NFT上に展開されたドローイングや、展示空間を往来する重層的な表現、手仕事とデジタルのあわいに在る作品、わたしたちの知覚・身体や現実空間の拡張など、さまざまな試みと表現が展開される。戦前戦後を通じ、現在までの流れの中で「創造と生成のあいだ」を見すえ活動を展開した「アートコレクティブ」である先駆者らの活動を紹介する資料展示も必見だ。
なお同時期、企画展示室1階では「豊嶋康子 発生法——天地左右の裏表」展が、コレクション展示室 1階および3階では「MOT コレクション」(どちらも2024年3月10日まで)も開催中。合わせてお見逃しなく。
※掲載情報は12月22日時点のものです。 開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ」
会期/2023年12月2日(土)〜2024年3月3日(日)
会場/東京都現代美術館 企画展示室3階 ほか
住所/東京都江東区三好4丁目1−1
時間/10:00〜18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
料金/一般1,300円、大学生・65 歳以上900 円、中高生500円、小学生以下無料
休館/月曜(1月8日、2月12日は開館)、12月28日~1月1日、1月9日、2月13日
URL/www.mot-art-museum.jp/
Text:Akane Naniwa