注目のアーティスト、アリヨ・ト・ジョヨのアジア初個展
米国・ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、アリヨ・ト・ジョヨのアジア初となる個展「Over My Head」が、東京・六本木にあるペロタン東京にて開催中だ。2023年に初開催されたアートフェア「Tokyo Gendai」でのソロ・プレゼンテーションに続くものとなる。
アリヨ・ト・ジョヨは1984年、米国・カリフォルニア州グレンデール生まれで、現在はロサンゼルス在住。エアブラシ技法を自身の芸術的プロセスの中心に、視覚的遠近法、色彩理論、芸術における形式的要素の考察といったデザインの原理を巧みに取り入れ、実験的な絵画を制作する。その作品の多くはロサンゼルスの都市構造を描いており、同市独自のサブカルチャーと共鳴しているのも特徴だ。
本展では、ト・ジョヨが関心を抱き続けているUFO(未確認飛行物体)の目撃情報や、それらが元となり歴史を通して生じてきた社会政治的な言説を示唆する、一連の新作絵画が初公開される。
たとえば『May 11, 1950』では、夕暮れと、崖のように見える屋根の輪郭線から覗き込むマウンテン・ライオンが対になっている姿を。『July 8, 1947』では、真夜中の黒い空を背景に、炎に包まれた家を描いた。それぞれタイトルにつけられた日付は、コンセプチュアル・アートの第一人者として知られる河原温の『Date Painting』とは逆順の様式にて、歴史的に重要なUFOの目撃日にちなんでいるのだという。
さらに映像やファウンド・フォトなどの要素を初めて取り入れ、見るものがどのように真実を認識するのか、その概念をさらに探究する試みだ。
国際的に注目が高まっているアリヨ・ト・ジョヨの個展は、今回がアジア初となる。貴重な機会をぜひお見逃しなく。
※掲載情報は11月15日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
アリヨ・ト・ジョヨ「Over My Head」
会期/2023年11月15日(水)〜12月27日(水)
会場/ペロタン東京
住所/東京都港区六本木6丁目6-9ピラミデビル1F
時間/11:00〜19:00
休廊日/日・月曜
URL/www.perrotin.com/exhibitions/aryo_toh_djojo-over-my-head/11592
Text:Akane Naniwa