沖縄を、人びとを写す「石川真生 ―私に何ができるか―」@東京オペラシティ アートギャラリー | Numero TOKYO
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沖縄を、人びとを写す「石川真生 ―私に何ができるか―」@東京オペラシティ アートギャラリー

『大琉球写真絵巻 パート9』より 「沖縄でバイレイシャル(ミックスルーツ)として生きること」 2021年
『大琉球写真絵巻 パート9』より 「沖縄でバイレイシャル(ミックスルーツ)として生きること」 2021年

沖縄を拠点に活動を続ける写真家・石川真生(いしかわ・まお)。東京オペラシティ アートギャラリーにて「石川真生 ―私に何ができるか―」展が開催されている。1970年代の初期作品から新作まで、50年以上にわたる活動を振り返る、東京では初の個展となる。

『赤花 アカバナー 沖縄の女』より 1975-1977年
『赤花 アカバナー 沖縄の女』より 1975-1977年

米軍統治下の1953年、沖縄大宜味村に生まれた石川真生。1970年代に写真を始め、沖縄の人たちを撮り続けている。

初期には在米兵のためのバーで自ら働きながら撮影した『赤花 アカバナー 沖縄の女』、そこで出会った黒人兵の故郷を訪ねた『Life in Philly』を発表。その後も、旧日本軍、自衛隊、米軍に関わりのある人たちや出来事など、取材をしながら被写体の近くに身を置き、時には立場を超えて関わりながら、撮影を続けている。

『ヘリ基地建設に揺れるシマ』より 2002年
『ヘリ基地建設に揺れるシマ』より 2002年

『沖縄と自衛隊』より 1993年
『沖縄と自衛隊』より 1993年

『港町エレジー』より 1983-1986年
『港町エレジー』より 1983-1986年

そして『日の丸を視る目』『森花―夢の世界』など創作写真ともいわれる作品も手がけ、2014年からは『大琉球写真絵巻』シリーズに力を入れている。

本展では、1970年代から現在まで、それぞれのシリーズから主要な作品を紹介。『大琉球写真絵巻』の新作を中心に、約170点を見ることができる。50年以上にわたり、沖縄を中心に国内外で作品を発表し、精力的に制作活動を続けてきた石川真生だが、東京で個展を開催するのは初めてとなる。

沖縄以外の美術館で紹介されたのは、2004年、横浜美術館でのグループ展「ノンセクト・ラディカル 現代の写真 III」が初めて。東京都写真美術館、メトロポリタン美術館など国内外でのパブリックコレクションも多数。2021年には沖縄県立博物館・美術館にて回顧展「石川真生:醜くも 美しい人の一生、私は人間が好きだ。」が開催された。

『日の丸を視る目』より 2008年
『日の丸を視る目』より 2008年

展示風景 photo: Kioku Keizo
展示風景 photo: Kioku Keizo

米軍統治下の時代を経て、沖縄の本土返還からも50年がたち、そして現在も、沖縄で写真を撮り続ける石川真生。

初期のプリント作品、巨大な絵巻物のように物語が紡がれる『大琉球写真絵巻』、写真にうつる人が見せる表情とまなざし。会場で配布される作品についての言葉がまとめられたハンドアウト。切り取られた一瞬の向こうに、積み重ねた時間と思いが感じられる。
石川真生のこれまでと現在に触れられる貴重な機会、12月24日まで開催しているので、ぜひ訪れてほしい。

展示風景 photo: Kioku Keizo
展示風景 photo: Kioku Keizo

石川真生 ー私に何ができるかー
期間/2023年10月13日(金)〜12月24日(日)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー
開館時間/11:00〜19:00(入場は18:30まで)月曜休
入場料/一般 ¥1,400 大・高生 ¥800 中学生以下無料
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル) URL/www.operacity.jp
*同時開催「収蔵品展 077 ひとの顔」「project N 92 土井沙織」の入場料を含みます。*障害者手帳をお持ちの方および付添 1 名は無料。
*割引の併用および入場料の払い戻しはできません。

Text:Hiromi Mikuni

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