うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈展 @東京都美術館 | Numero TOKYO
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うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈展 @東京都美術館

『記憶のそこ』のためのドローイング 2023年 作家蔵
『記憶のそこ』のためのドローイング 2023年 作家蔵

東京都美術館にて「うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展」が開催されている。ニューヨークを拠点に幅広い表現活動を続けるアーティスト、荒木珠奈(あらき たまな)。数多くの版画や立体作品、鑑賞者が参加するインスタレーションや、ワークショップを経て生まれた作品など、さまざまな取り組みをしながら表現を続けてきた。

本展では90年代の初期作品から最新作までが揃い、作家のあゆみが感じられるような、初の回顧展となる。2023年10月9日(月・祝)まで。

『Una marcha de los esqueletos (ガイコツの行進)』 2004年 作家蔵
『Una marcha de los esqueletos (ガイコツの行進)』 2004年 作家蔵

荒木珠奈の作品は、かわいらしいようでいて、どこか怖い。怖いようで、なんだか懐かしい。心の底の記憶や感情、そして物語が呼び起こされる感触がある。20代でメキシコに留学しているが、そこで「明るさと暗さ」「生と死」が共存する独特の文化に魅了されたのだという。

『浮き雲暮し』 2000年 作家蔵
『浮き雲暮し』 2000年 作家蔵

本展には、90年代から発表している版画や立体作品などが約90点以上が揃う。そしてメキシコの先住民と共同制作したマヤ神話に基づく絵本も展示される。

 『うち』 1999年 作家蔵 Photo: Hideto Nagatsuka
『うち』 1999年 作家蔵 Photo: Hideto Nagatsuka

そして、地下3階には、開催地である「上野の記憶」から生み出されたという新作の大型インスタレーションが。展覧会タイトルの「うえののそこから」が、気になってくる……。

子どもも大人も引き込まれる荒木珠奈の世界。近年、関心を寄せているのは「越境」「多様性」「包摂」だという。昨年、東京都美術館で、様々な国のルーツを持つ子どもたちと共同制作したインスタレーションも登場する。

さらに 期間中はアーティストトークや、子ども対象のプログラムも開催予定。「不思議な生き物になろう!」「みんなで作ろう!レッツ「ケエジン」!」など。さてさて「ケエジン」とは? 

日常と非日常を行き来しながら、深く自由に表現し続ける荒木珠奈の世界に触れてほしい。

 『見えない』 2011年 作家蔵 Photo: Keizo Kioku
『見えない』 2011年 作家蔵 Photo: Keizo Kioku

うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展
期間/2023年7月22日(土)~10月9日(月・祝)
会場/東京都美術館 ギャラリーA・B・C
休室日/月曜日、9月19日(火)
※8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室
時間/9:30~17:30、金曜日は 9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
観覧料/一般 1,100 円、大学生・専門学校生 700 円、65 歳以上 800 円 ※高校生以下は無料
URL/https://www.tobikan.jp/hajimarihajimari

※サマーナイトミュージアム割引 
下記日程の17時以降は、一般及び65歳以上は各料金より200円引き、大学生・専門学校生は無料となります。
(証明できるものをご提示ください)
7月28日(金)、8月4日(金)、11日(金・祝)、18日(金)、25日(金)

Text:Hiromi Mikuni

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