アート、音楽、スポーツ……さまざまな分野で活躍する8名の女性たちが集った、東京エディション虎ノ門の夜 | Numero TOKYO
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アート、音楽、スポーツ……さまざまな分野で活躍する8名の女性たちが集った、東京エディション虎ノ門の夜

左から 217..NINA、タカノ綾、Crystal Kay、May J、小野美智代、水野亜彩子、万美、白川麻美、Rika Tatsuno
左から 217..NINA、タカノ綾、Crystal Kay、May J、小野美智代、水野亜彩子、万美、白川麻美、Rika Tatsuno

ライフスタイルやカルチャーを発信するラグジュアリーライフスタイルブランド「東京エディション虎ノ門 (The Tokyo EDITION, Toranomon)」が、2023年3月8日(水)の国際女性デーに、スポーツ・エンターテインメント・アート・ファッションの各分野で活躍する8名の素晴らしい女性を「The Blue Room(ブルー ルーム)」のディナーにご招待。女性の権利と健康、これからの発展について考えるトークセッションを開催。

ホテルのカルチャー&エンターテインメントディレクターを務める白川麻美の呼びかけにより集まったのは、217..NINA(フォトグラファー)、Rika Tatsuno(モデル)、万美(書道家)、タカノ綾(現代美術家)、May J(シンガー)、水野亜彩子(プロサーファー)、Crystal Kay(シンガー)、そして国際協力NGOジョイセフ事務局次長でありホワイトリボンラン創始者である小野美智代の8名の女性たち。

エディションが提唱する“ニュー・ジェネレーション・オブ・ラグジュアリー”にも通じる、現代社会を生きる自立した強い女性であってほしいとの思いから、社会的・経済的・文化的な女性の権利や健康について改めて考え、共にサポートしながら意識向上を目指して、それぞれの体験や思いをシェアした

217..NINA「フォトグラファーは重い機材を運んだりけっこう肉体労働なんです。なので、アシスタントをした際に女性だからと荷物を持ってくれることに対して違和感を覚えて、『男らしくいないといけない』と、お化粧もせずファッションもそうなっていきました。自分が女性だからというわけではないですが、自然と憧れのフォトグラファーはアニー・リーボヴィッツなど女性が多いです」

水野亜彩子「サーフィンでは、海外の連盟で理事に女性が就任したり、賞金も同じフィールドで戦うトップ選手として性別問わず同額になりました。日本の連盟に女性はいませんが、性別問わず女性をサポートしてくれる人や企業はあります。その一方で、一方で、日本では女性の賞金が上がってきていますが、男性の1/2ほど」

May J「レコード会社や事務所の社長やスタッフも男性が多い印象です。初めてのマネージャーで女性を希望したら、女性スタッフの人手不足で通らなかったこともあります」

タカノ綾「アート業界では、女性のスタッフさんは国内外でとても多いですが、女性のアーティストは日本では少ないと思います。ソフィ・カルさんや草間彌生さんのような過酷な世界を勝ち抜いたほんの一握りのアーティストが知られているのかなあと思います。ただ、同じような立場にある若い女性アーティストはまだほとんど存在しません」

体験談の他にも、女性の社会進出や健康、セックス・エデュケーションについて意見を交わした。

Crystal Kay「男性が女性の社会進出に対してもっと積極的に働きかけてくれたら、社会がより良く変わりますよね。そういう人がいる一方で、リアーナ(Rihanna)がカバーを飾った『ヴォーグ(Vogue)』(UK版・2023年3月号)では、彼女が前に立ち、その後ろでエイサップ・ロッキー(A$AP ROCKY)が子どもを抱いているビジュアルに対して男性からの批判がとても多かったそうです」

Rika Tatsuno「日本では、生理やピルの話を友人やパートナーとあまりしないですが、アメリカでは、パートナーに生理用品を買って来てほしいとオープンに伝えたり、男性も『何サイズにする?』と生理について理解がある。だから、まずは女性のマインドセットを変えることで、少しずつ男性の考えも変わっていくといいな。話すことで学びにもなるので、こういうコミュニティや話す場があることが大切だと思います」

万美「教育によって以前は生理用品を隠さなきゃいけないものだと思っていたので、男性の前でカバンから出すときはスピード勝負でした。そういうエチケットの話は、女性と男性だけではなく、女性同士でも価値観の差がありそうです」

さらに、世界中の女性の健康と権利のために立ち上がるホワイトリボンの活動や、国の制度について知るきっかけも。

小野美智代「日本では出産で亡くなるなんてほとんど耳にしないですが、世界ではそんなことが起きています。それも妊娠・出産を経験する女性だけであり、そんな不公平な理由はあってはならないし、女性だからという理由で悲しむ社会を変えたいという思いで、2016年からホワイトリボンランを立ちあげ、国際女性デーである3月8日だけでも、妊娠・出産で命を落とす女性をゼロにしたいという思いから、3月にホワイトリボンランを開催しています。

また、日本では子宮頸癌で亡くなる女性が多く、G7の中でもダントツ死亡率が高いんです。現在は、小学校6年生から高校1年生の女の子はHPVワクチンを無料(公費補助)で受けられますが、唯一予防できる癌ということはあまり知られていない。制度に関していえば、東京都では小池百合子知事により、2023年度から卵子凍結に助成金が支給されることも決まりました」

SNS時代と言われる現代に生きていても、本当に大切な情報が周知されていないということが多い。だからこそ、このような機会がいかに重要か、“シスターフッド”を何よりも大切にする白川麻美が自身の経験を踏まえてこう話す。

白川麻美「アメリカの黒人の番組で司会を務めたことがあるのですが、アジア人女性というだけでセクシャルターゲットにされたり、他の人種にもしないような扱いを受けるなど、社会からのステレオタイプによって大変嫌な思いをしました。その経験があったからこそ、強くなれた今の私もいるのですが。だからこそ、知識や教養を身に付けることが何よりの力となり、自分の武器になると信じています。

まずは女性同士で話して情報を得ることが第一のステップですね。それぞれが各分野でできることを、女性である上でのアウェアネスを意識して行動できると、明日やこの先の未来に繋がり、誰かの命を助けることだってできる。お互いを愛し、お互いをサポートし、女性はみんな仲良くいなくちゃね!」

エディションの創業者であるイアン・シュレーガーは、ホテルをライフスタイルの発信地として仕掛けたゲームチェンジャーであり、遊びながら学び、人々が交流してカルチャーが生まれる場所として、ホテルを新しいシーンに昇華させた。また、プラスティック・フリーなど地球環境へ配慮したサステナブルな取り組みにも積極的に力を入れ、人種や性別に関係なく人々の権利を尊重するためのサポートも行っている。今後も、女性のエンパワーメントを高める活動に注力していくそうだ。エディションが放つ新しい時代へ向けたメッセージに、これからも注目したい。

Photo:Reiko Hirose Text:Kefa Cheong

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