3人のパリの女性たちをフィーチャーした「Dior」2023-24秋冬コレクション | Numero TOKYO
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3人のパリの女性たちをフィーチャーした「Dior」2023-24秋冬コレクション

©Adrien Dirand
©Adrien Dirand

2月28日(火)パリ・チュイルリー公園で発表された「Dior(ディオール)」2023-2024年秋冬コレクションは、1950年代を再解釈。クリエイティブ ディレクターのマリア・グラツィア・キウリが、ディオールの歴史をこれまでとはまったく違う形で探り、カトリーヌ・ディオール、エディット・ピアフ、ジュリエット・グレコという3人の傑出した女性たちに焦点を当て、フレンチスタイルをさらに掘り下げた。

ポルトガル人アーティスト、ジョアナ・ヴァスコンセロスがディオールのために特別に制作した舞台装飾「ワルキューレ ミス ディオール」が設置された会場には、BLACKPINKのジス、シャーリーズ・セロンをはじめ華やかなセレブリティが多数集結し、日本からは仲里依紗、三吉彩花、AMIAYAなどセレブリティやインフルエンサーたちも出席。

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会場装飾を手掛けたジョアナ・ヴァスコンセロスは、北欧神話におけるワルキューレのように力強く、勇敢で、闘志に満ちた女性としてムッシュ ディオールの妹であるカトリーヌ・ディオールへのオマージュを表現。彼女のモニュメンタルな作品は、まるで触手が伸びるように有機的かつ自由に空間を占拠。観客が座ることのできる“島”を起点とし、布、レース、刺繍、かぎ針編みなどで構成した。

カトリーヌ・ディオール、エディット・ピアフ、ジュリエット・グレコという3人の女性たちはいずれも独立自尊の精神を持ち、生涯を通して戦後の女性像の固定観念を覆す生き方を導いてきた存在だ。カトリーヌ・ディオールは、花を育て、販売することで希望のメッセージを届け、エディット・ピアフとジュリエット・グレコは、その歌声と抜きん出た舞台上での存在感で人々を奮い立たせた。マリア・グラツィア・キウリは、パワフルなアイコン女性たちを讃えながらフェミニニティを象徴するコレクションを作り上げる。

会場のインスタレーションとは一見相反するような、50年代のスタイルをモダンに再解釈したブラック&ホワイトのルックがファーストルックから続く。

ムッシュ ディオールのフラワーモチーフを再解釈した“まだら模様”のファブリックにはメタリックの糸が織り込まれ、力強くもしなやかなスタイルが印象づけられる。ショーの中盤からは、ルビー、エメラルド、トパーズイエロー、ブルーといったカラーに包まれたルックが現れ、繊細な色調のタータンがコートやジャケット、スカートを彩った。

インディペンデントで自由で力強く思慮深い。マリア・グラツィア・キウリが描く女性像は、フレンチシックを再解釈しながら、新たな世代の女性たちの進む道を明るく照らす。服が果たす役割や、服がもたらす喜びとは何かと考えさせてくれるコレクションだ。

©Laura Sciacovelli
©Laura Sciacovelli

Text:Chiho Inoue

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