都内のパブリックアートでも注目を集める中谷ミチコの個展開催 | Numero TOKYO
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都内のパブリックアートでも注目を集める中谷ミチコの個展開催

東京・代官山のアートフロントギャラリーにて、近年パブリックアート作品でも大きな注目を集めている中谷ミチコの個展が開催中。最新作からコロナ禍に制作された話題作までが公開となった。

『デコボコの舟』2022 部分 photo: wakabayashi hayato 
『デコボコの舟』2022 部分 photo: wakabayashi hayato 

粘土で象った浅浮彫(レリーフ)の像を石膏で抜いて着彩し、そこに樹脂を流し込んだ手法が特徴的な、中谷ミチコ。石膏と樹脂が均一となった矩形の姿は絵画のようでありながら、見るものの視線の移ろいとともに向きを変え、ものの存在/不在とそのあわいを詩的に示している。なお近年では、丸の内ストリートギャラリーや銀座線虎ノ門駅など、パブリックアート作品でも注目を集めてきた。

©Michiko Nakatani 『白い虎が見ている』2020 設置場所: 東京メトロ銀座線 渋谷方面行ホーム
©Michiko Nakatani 『白い虎が見ている』2020 設置場所: 東京メトロ銀座線 渋谷方面行ホーム

本展では、ギャラリーの2つの展示室を使い、凸凹の対比が伺える作品世界を表現。第1室では、空間全体を使いながら最新作となる大型の彫刻『デコボコの舟』を展示する。中谷のこれからの展望がうかがえる新作だという。

第2室では、2021年に「奥能登国際芸術祭2020+」で発表した『すくう、すくう、すくう』を、「ギャラリーバージョン」として発表。コロナ禍に制作された「掬う」「救う」「巣食う」などさまざまな意味が込められた本作は、今回関東初の公開となる。

『すくう、すくう、すくう』2021 奥能登国際芸術祭2020+展示風景 photo: wakabayashi hayato
『すくう、すくう、すくう』2021 奥能登国際芸術祭2020+展示風景 photo: wakabayashi hayato

『すくう、すくう、すくう』2021 photo: wakabayashi hayato
『すくう、すくう、すくう』2021 photo: wakabayashi hayato

なお『デコボコの舟』制作中に生まれた小作品の『痕跡』シーリーズや、透明樹脂を流し込んだ女の子のレリーフ作品、ドローイング作品など10数点の小作品や旧作も展示・販売する。ぜひ注目を。

『デコボコの舟』2022 展示風景 photo: wakabayashi hayato
『デコボコの舟』2022 展示風景 photo: wakabayashi hayato

※掲載情報は12月3日時点のものです。
 開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「中谷ミチコ: デコボコの舟/すくう、すくう、すくう」
会期/2022 年 11 月 30 日(水)~2023 年 1 月 22 日(日)
会場/アートフロントギャラリー
住所/東京都渋谷区猿楽町 29-18 ヒルサイドテラス A 棟
時間/水~金 12:00-19:00、土日 11:00〜17:00
休館/月曜、火曜および冬季休廊(12月26日〜1月6日)
URL/www.artfrontgallery.com/exhibition/archive/2022_10/4709.html

Text:Akane Naniwa

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