注目のアーティスト、⽑利悠⼦が撮り続けた「モレモレ東京」シリーズが公開中
コンポジション(構築)へのアプローチではなく、環境などの諸条件によって変化してゆく「事象」にフォーカスするインスタレーションや彫刻を制作する⽑利悠⼦。「リヨン・ ビエンナーレ」、「サンパウロ・ビエンナーレ」、「シドニー・ビエンナーレ」をはじめ国内外で精⼒的に活動するアーティストだ。
本展では、毛利が2009年より撮り続けてきた「モレモレ東京」シリーズより作品を紹介。本作は、東京の電車や地下鉄の駅で、乗降客の頭に降り注ぐ水漏れを食い止めようと駅員たちが自作した仮説の構造体を写真に撮り続けてきたものだ。上下ひっくり返した傘、チューブ、ビニールシート、袋、ペットボトル、バケツなど構造体は多岐にわたり、中には創意に富んだものもある。「駅や路線によって水を食い止める方法や使われているオブジェが異なる様子は、彫刻への様々なアプローチのようにも見え、私にとってインスピレーションの宝庫だった」と、毛利は語る。
2022年のシドニー・ビエンナーレで展示されて好評を博し、2023年にはアデレードの美術 館への巡回が決まっている作品だ。また開催に合わせ、写真集『Moré Moré Tokyo (Leaky Tokyo)』がAkio Nagasawa Publishingより刊行。東京の日常の中にある「思いがけない美」に、ぜひ触れてみて。
※掲載情報は11月8日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
⽑利悠⼦「モレモレ東京」
会期/2022年10⽉28⽇(⾦)〜12⽉24⽇(⼟)
会場/Akio Nagasawa Gallery Ginza
住所/東京都中央区銀座4-9-5 銀昭ビル6F
時間/11:00〜19:00 ※⼟曜は13:00〜14:00⼀時休廊
休廊/⽇・⽉曜、祝⽇、11⽉29⽇(⽕)〜12⽉9⽇(⾦)
TEL/03-6264-3670
URL/www.akionagasawa.com/exhibition/more-more-tokyo
Text:Akane Naniwa