“青の作家”ことイヴ・クラインに迫る展覧会が開催@金沢21世紀美術館
“青の作家”として知られるイヴ・クライン。国内では37年ぶりとなる、イヴ・クラインを中心に構成された展覧会が、石川県金沢の金沢21世紀美術館にて開催中だ。
吸い込まれるような鮮やかで深い青「インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)」で知られる、“青の作家”ことイヴ・クライン。わずか34余年あまりの人生のうちに数々の傑作を生み出した、フランスのアーティストだ。
クラインは、戦後の荒廃した状況から新たな人間性を探求する作家として登場。20歳の時、詩人のクロード・パスカルと彫刻家のアルマンとともに、3人で「世界を分割する」ことを思いついたクラインは、「青空」を欲し、空に向かって署名することで、空とその無限性を作品として手に入れたというエピソードをもつ。また、アクションやパフォーマンスを通し、「青」に代表される色や火、水、空気などを用いた作品も発表した。芸術を物質として見せるのではなく「感性」を通して触れられるようにしたことでもよく知られる。
本展は、2020年に仏・パリのポンピドゥー・センター・メスにて企画された展覧会から着想を得て企画。なかでも「具体」をより深く掘り下げ、身体性と物質、空間の関係における「日本的なるもの」の部分を拡大するとともに、現代芸術家も加えて構成されたものだ。クラインの作品を中心に、彼と影響関係にあったというルーチョ・フォンタナやピエロ・マンゾーニのほか、草間彌生や白髪一雄などの前衛作家、さらにキムスージャや布施琳太郎など現代作家たちによる作品60点が公開する。
さらに、会場である金沢21世紀美術館の恒久作品『スイミング・プール』の「青」や、タレルの部屋、また「無限」を象徴するカプーアの部屋など、クラインの精神と共鳴する建築空間にも改めて注目したい。会期は翌年3月5日(日)まで。
※掲載情報は10月6日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「時を超えるイヴ・クラインの想像力―不確かさと非物質的なるもの」
会期/2022年10月1日(土)〜2023年3月5日(日)
会場/金沢21世紀美術館
住所/石川県金沢市広坂1-2-1
時間/10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)
休館日/月曜(ただし10月10日、10月31日、1月2日、1月9日は開場)、10月11日(火)、11月1日(火)、12月29日(木)〜1月1日(日)、1月4日(水)、10日(火)
※10月10日(月・祝)は開館
料金/一般1,400円、大学生1,000円、小中高生500円、65歳以上1,100円
TEL/076-220-2800
URL/www.kanazawa21.jp/
Text:Akane Naniwa