河原温、赤瀬川原平、青山悟ほか「ヴォイド オブ ニッポン 77展」
戦後に活躍した作家から新たな世代を代表する作家まで集う展覧会「ヴォイド オブ ニッポン 77展 戦後美術史のある風景と反復進行」が、東京・表参道のGYRE GALLERYにて開催中だ。企画は、スクールデレック芸術社会学研究所所長の飯田高誉。
2022年8月、太平洋戦争終結から77年が経過。77年という年月は明治維新から太平洋戦争終結までと同じ長さでもある。戦前と戦後が同じ時間となった歴史的連続性を前提に、「戦後美術史のある風景と反復進行」をテーマとした展覧会「ヴォイド オブ ニッポン 77展 戦後美術史のある風景と反復進行」が開催中だ。
本展は、フランスの哲学者ロラン・バルトが記した「表徴」に溢れ中心のない空虚な「表徴の帝国」である日本と、小説家の三島由紀夫が遺した「日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残る」(※)という一文から想を得て企画されている。
ロラン・バルトと三島由紀夫の双方が捉えた日本の「空虚」を前提に、現代活躍している次世代の日本の作家によって戦後美術家たちを逆照射(反復進行)し、意味から解き放たれた中心のない空虚な戦後美術史のある風景を浮かび上がらせていくという。
出品作家は、河原温、三島喜美代、中西夏之、高松次郞、赤瀬川原平、三木富雄、北村勲、北山善夫、青山悟、金氏徹平、加茂昂、大山エンリコイサム、須賀悠介、MIKA TAMORI、国民投票。
本展では「日本」の戦前や戦後の時代精神を担った作家と、現代活躍している新たな世代を代表する作家へと連繫し、時間の連続性を浮かび上がらせるという。昭和、平成、令和を通してそれぞれの時代精神を対象化し、そして私たちは今後どこへ向かおうとしているのか問いかけてくるだろう。会期は9月25日(日)まで。
(※)1970(昭和45)年7月7日付の産経新聞夕刊に掲載された三島由起夫のエッセイ。
※掲載情報は9月8日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「ヴォイド オブ ニッポン 77展 戦後美術史のある風景と反復進行」
会期/2022年8月15日(月) 〜9月25日(日)
会場/GYRE GALLERY
住所/東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
TEL/0570-05-6990
URL/gyre-omotesando.com/artandgallery/void-of-nippon77
Text:Akane Naniwa